ジャンボこいのぼり

ジャンボこいのぼり：加須市のシンボル

ジャンボこいのぼりは、埼玉県加須市が所有する、全長100メートルにも及ぶ世界最大級のこいのぼりです。毎年5月3日に行われる市民平和祭で、利根川河川敷緑地公園に姿を現し、クレーンで吊り上げられて大空を雄大に泳ぎます。その圧倒的なスケールと、春の空を彩る鮮やかな色彩は、見る人に感動を与えます。

誕生の背景：こいのぼりの産地、加須市

加須市は、日本一のこいのぼりの生産地として知られています。ジャンボこいのぼりは、その加須市を象徴する存在として、1988年に加須青年会議所の発案によって誕生しました。加須のこいのぼりは、もともと手描きが主流でしたが、近年ではプリントへと移行が進んでいます。しかし、2022年現在に主に遊泳する4代目ジャンボこいのぼりは、市民の手によって丁寧に描かれた手描きのこいのぼりであり、伝統の技術が息づいています。

ジャンボこいのぼりの歴史

初代（1988年 - 1995年）

初代ジャンボこいのぼりは、1988年に加須青年会議所の発案で完成しました。全長100メートル、重さ600キログラム、綿製で、1995年まで毎年春に空を泳ぎました。1996年にはハワイでの遊泳にも挑戦しましたが、破損。2年後の再挑戦でついに成功を収めました。現在は3代目の予備として大切に保管されています。

2代目（1996年 - 2002年）

1996年2月に完成した2代目は、全長111メートル、重さ730キログラムと、初代よりもさらに巨大化しました。しかし、2002年5月の遊泳中に破損し、修復が不可能となったため、惜しまれつつ引退しました。

3代目（2003年 - 2013年）

3代目は、2003年1月から制作が開始され、延べ2,500人もの市民の手によって3月に完成しました。全長は100メートルに戻りましたが、素材をポリエステル製に変更することで、重さを350キログラムにまで軽量化することに成功しました。口と目玉の直径は、それぞれ10メートルという巨大さです。2006年5月には、サッカーワールドカップドイツ大会の日本代表初戦の地であるカイザースラウテルンで遊泳を行い、加須市をPRするとともに、日本代表を応援するメッセージを送りました。

4代目（2014年 - 現在）

2014年3月に完成した4代目は、全長100メートル、重さ約330キログラム。目玉と口の大きさは直径10メートルです。2010年に合併して誕生した新しい加須市の象徴として制作され、市の木であるサクラ、市の花であるコスモスのピンク色と、加須市の将来像である「水と緑と文化の調和した元気都市」をイメージした青、緑、オレンジ色を配色に取り入れています。市民の想いを込めて作られたこいのぼりは、加須市の新たなシンボルとして、多くの人々に親しまれています。



参考文献

関根久夫『補訂版 埼玉の日本一風土記』幹書房、2014年7月22日。ISBN 978-4-906799-42-8。

関連項目

世界一の一覧
館林市 - こいのぼり掲揚数で世界記録に認定され、世界一こいのぼりの里で知られる。
広島東洋カープ - 鯉つながりということで、2008年5月にコラボ第1弾としてTシャツの販売を行っている。

外部リンク

* 加須市 - こいのぼり

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