ジャン・ユンカーマン

ジャン・ユンカーマン

プロフィール

ジャン・ユンカーマン（John Junkerman）は、1952年にアメリカ合衆国で生まれたジャーナリスト、映画監督です。幼少期に日本で過ごした経験を持ち、流暢な日本語を話します。

来歴

ウィスコンシン州ミルウォーキーで誕生後、父親の仕事の関係で幼少期を神奈川県葉山町で過ごしました。高校時代にはベトナム戦争が激化する中、反戦運動に参加。徴兵制反対デモを行うなど、早くから社会問題への関心を示しました。1969年に再来日し、慶應義塾志木高等学校を経て、スタンフォード大学東洋文学語科、ウィスコンシン大学大学院で学びました。

ジャーナリストとして、日米両国で活動しており、特にアメリカの外交政策や日本の憲法問題について積極的に発言しています。

映画監督としての活動

映画監督としても高い評価を受けており、ドキュメンタリー映画を中心に数々の作品を手がけています。

1988年にはドキュメンタリー映画『HELL FIRE 劫火』でアカデミー賞記録映画部門にノミネートされました。この作品は、太平洋戦争末期の空襲をテーマにしたもので、戦争の悲惨さを描いています。1992年には『夢窓 庭との語らい』でエミー賞を受賞しています。これは、禅の庭園をテーマにした美しい作品です。

2001年のアメリカ同時多発テロ以降は、アメリカの単独行動主義を批判するようになり、言語学者のノーム・チョムスキーへのインタビュー集『チョムスキー9.11』（2002年）を発表。この作品は、アメリカの外交政策を批判的に分析し、世界的に大きな反響を呼びました。

2005年には、日本国憲法、特に第9条の意義について各国の識者が語る『映画 日本国憲法』を発表しました。これは、イラク戦争以降の日本の改憲の動きに警鐘を鳴らすもので、ジャン・ユンカーマン自身も憲法改正に強く反対する立場を表明しています。

現在の活動

現在も日米両国を拠点に活動し、日本の九条の会や9条世界会議などの護憲運動にも積極的に参加しています。平和と民主主義を守るために、ジャーナリストとして、また映画監督として、精力的に活動を続けています。

主な監督作品

『HELL FIRE 劫火』（1988年）
『老人と海』（1990年）
『夢窓 庭との語らい』（1992年）
『The Mississippi : River of Song』（1999年）
『チョムスキー9.11』（2002年）
『映画 日本国憲法』（2005年）
『沖縄 うりずんの雨』(2015年)

参考文献

鶴見俊輔監修『平和人物大辞典』（日本図書センター、2006年6月）

関連項目

* 袖井林二郎

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