ジュゼッペ・ウンガレッティ

ジュゼッペ・ウンガレッティの生涯と作品

ジュゼッペ・ウンガレッティ（Giuseppe Ungaretti）は、1888年2月8日にエジプトのアレクサンドリアで生まれたイタリアの詩人及びジャーナリストです。幼少期はルッカに住み、父親がスエズ運河の工事に従事していた影響でエジプトでの生活を経験しました。その後、彼はトスカナ地方を経て、1912年にパリに渡ります。ここで、ウンガレッティは当時の著名な詩人たちとの交流を始め、ギヨーム・アポリネールやポール・ヴァレリー、アンドレ・ブルトン、トリスタン・ツァラなどと親交を深めました。

戦争と詩作の始まり

第一次世界大戦が勃発する1914年、ウンガレッティはミラノで参戦論を支持し、1915年からカルソ地方で対オーストリア戦に参加しました。戦場での経験は彼の詩に深い影響を与え、『ボーチェ』誌の同人となることで一種の象徴詩とも言える「エルメティズモ」のスタイルを確立しました。

彼の詩は、人生や死、存在についての深い思索を反映しており、簡潔ながらも力強い表現が特徴です。この中で、彼は生と死の対比を通じてひたすら救いを求めながらも、安易な解答には拒否の姿勢を崩しませんでした。

晩年と影響

ウンガレッティの人生は、数々の試練にも満ちていました。1936年にはブラジルに渡り、サンパウロ大学でイタリア語を教えることになりましたが、息子を虫垂炎で失うという悲劇に見舞われます。1942年にイタリアに帰国後、ローマ大学で教鞭を取りましたが、イタリアの降伏後に教職を追放されました。その後、同僚たちの支援を受けて1947年に復職を果たし、1958年までその地位に留まりました。1970年にはアメリカでノイシュタット国際文学賞を受賞しますが、帰国後に気管支肺炎を患い、ミラノで生涯を閉じました。

彼の詩と評論

ウンガレッティは多くの作品を残しており、彼の代表的な詩集には『II Porto Sepolto』（1917年）、『L'Allegria』（1931年『喜び』）、『La guerra』（1947年）、『Il Dolore』（1947年『悲しみ』）などがあります。彼の詩は、時に激しく、時に静謐であり、人生のさまざまな瞬間を鋭く切り取った重要な作品群となっています。また、彼は批評活動や古今の詩をイタリア語に翻訳することで、文学界に広く貢献しました。

ウンガレッティの詩は、彼自身の経験を基にした非常に個人的なものであり、生と死、愛と別れという普遍的テーマを扱っています。そのため、彼の作品は多くの人々に共鳴を呼ぶものであり、今日の文学にも多大な影響を与えています。彼の詩はただの言葉の集合体ではなく、深い感情と哲学的視点を持つ作品であり、20世紀イタリア文学の重要な一翼を担った人物として広く認識されています。

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