ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー

ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー（JPO）制度について

ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、略してJPOは、国際機関と各国政府との合意に基づき、非正規の専門職員を育成する制度です。主に若者に向け、国際公務員としてのキャリアを築くための基盤を提供します。日本では、従来のアソシエート・エキスパート（AE）やアソシエート・プロフェッショナル・オフィサー（APO）という名称も見受けられます。

概要と目的

この制度の主な目的は、国際公務員を目指す若者に対して、実際の国際機関での勤務を通じて必要な経験や知識を積む機会を提供することです。JPOとして採用された職員は、通常は2年間の契約のもとで国際機関に従事します。ただし、勤務先は本部ではなく、現地の事務所となります。給与はP2レベルで、支給は各国政府からの拠出で賄われます。

契約期間が終了すると、自動的に正規職員になるわけではありません。そのため、国際機関の正規職員になるためには、別途公募に応募し、合格しなければならないため、競争は熾烈です。

応募資格

JPOプログラムの応募条件は機関ごとに異なりますが、一般的には次の条件が求められます：

• - 修士号を取得し、関連職務で2年以上の経験があるか、または博士号を持っていること
• - 応募時、年齢が35歳以下であること（機関によっては32歳以下などの制限がある）

日本におけるJPOの状況

日本は国際機関への拠出金の割に職員数が少ないという問題があり、いわゆるアンダーレプ状態にあります。JPO制度は日本人職員の増加を目指す取り組みの一環です。しかし、残念なことに、国際機関での日本人JPOの定着率は約40%で、必ずしも高いとは言えません。このため、日本の国際的な影響力を向上させるためにも、制度の見直しが求められています。

2008年のデータによると、JPOプログラムには294名が応募し、第1次選考は95名が通過、最終的に37名が合格しました。興味深いことに、合格者の多くは女性でした。この数値は、国際機関における女性職員の割合の増加にもつながっています。

JPO派遣の国際機関

日本は以下の国際機関との契約に基づき、JPOを派遣しています：

• - 国際連合開発計画（UNDP）
• - 国際連合児童基金（UNICEF）
• - 国際連合難民高等弁務官事務所（UNHCR）
• - 国際連合世界食糧計画（WFP）
• - 国際連合環境計画（UNEP）
• - 国際連合人口基金（UNFPA）
• - 国際労働機関（ILO）
• - 国際連合食糧農業機関（FAO）
• - 国際連合教育科学文化機関（UNESCO）

このように、JPO制度は日本の国際機関への参加を促進し、多様な経験を持つ国際公務員を育てる重要な役割を果たしています。今後の制度改善や新たな取り組みが期待されます。

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