ジュラルミン

ジュラルミン（Duralumin）とは

ジュラルミンは、アルミニウムを主成分とし、銅やマグネシウムを含む合金です。この合金の特性として、優れた強度と軽さが挙げられ、航空機や自動車、さらには家庭用品に至るまで、幅広く利用されています。

歴史

ジュラルミンの歴史は1903年に遡ります。ドイツのデューレンに住むアルフレート・ヴィルムは、鋼などの金属と同じように、他の元素を混ぜることで金属の硬さが増すと考え、実験を行いましたが、最初は成功しませんでした。しかし、彼は「軽いアルミニウムを銅と混ぜたら良いのではないか」との気づきを得て、4％の銅を添加したアルミニウム合金を開発しました。数回の実験を経て、1906年に成功を収め、この合金が硬化する現象が発見されました。これは金属の時効硬化の先駆けとなりました。

工業生産の始まり

ジュラルミンは1909年にデューレナー・メタルヴェルケ社から商品化され、特に第一次世界大戦前の航空機の設計に多く採用されました。日本では、1916年に住友伸銅所がジュラルミンの研究を開始しました。この研究はロンドンで撃墜されたツェッペリンから持ち帰った材料の分析を基にしたものです。その後、1919年には工場試作品が完成し、1921年から本格的に生産が始まります。

超ジュラルミンの開発

ジュラルミンの特性を更に高めるために、アルコア社は1928年にケイ素を添加した合金を開発しました。後に1931年にはさらに強度を増した合金が完成し、それ以降この強度を超える材料は「超ジュラルミン」と呼ばれるようになりました。特に1943年には75S（後のA7075）が開発され、さらなる進化を遂げました。

戦後と耐食性の課題

1936年には、住友金属工業が超々ジュラルミンを開発し、主に軍用機に多く用いられましたが、ジュラルミンは水に対する耐食性が低いため、特に海水との接触が多い場所では適した材料ではありませんでした。これに代わり、特別なアルミニウム材やアルクラッド材が使用されることがありました。

現代での利用

第二次世界大戦後、GHQの影響によりジュラルミンの供給が行き渡り、余剰生産された材料が鉄道や航空機の外装などに使用されました。特に東京駅の丸の内駅舎の復興においても、その軽さからジュラルミンが用いられています。現代でも、窓枠や電子機器のケース、携帯電話の部品など、多岐にわたる用途があります。

ジュラルミンの種類

ジュラルミンには日本産業規格（JIS）によっていくつかの種類が定められています。具体的には、

• - A2017：ジュラルミン
• - A2024：超ジュラルミン
• - A7075：超々ジュラルミン

があります。これらは主にアルミニウムと他の元素の合金で構成され、特にA7075はアルミニウム合金の中で最高の強度を誇ります。

まとめ

ジュラルミンはその軽さと強度から、21世紀においても重要な材料として重宝されています。航空機、車両、家庭用品など、多くの分野でその特性を活かした製品が使用されており、今後も様々な技術革新とともに進化し続けることでしょう。

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