ジュール・ド・ポリニャック

ジュール・オーギュスト・アルマン・マリー・ド・ポリニャックの生涯

ジュール・オーギュスト・アルマン・マリー・ド・ポリニャック（1780年5月14日〜1847年3月30日）は、フランスの王党派政治家であり、貴族出身です。彼は極端な反動政治を推進したフランス復古王政期の首相として知られています。ポリニャック公爵家の第3代公爵であり、政治と宮廷の両方で重要な役割を果たしました。

幼少期と革命前の人生

ポリニャックはヴェルサイユで生まれ、特権的な家庭環境で育ちました。母親のヨランドはフランス宮廷で高い地位にあり、彼の子供時代は贅沢なものでした。しかし、フランス革命が勃発すると、彼の家庭は一変します。ポリニャック家はオーストリアに亡命し、母親はその最中に亡くなりました。この厳しい経験が彼の生涯における政治的信念を形成しました。

ナポレオン時代と反革命活動

ナポレオンの統治下、ポリニャックはフランスに戻り、反革命の運動に加わります。彼は1804年にジョルジュ・カドゥーダルやジャン＝シャルル・ピシュグリュの陰謀に関与したとして1813年まで投獄されるという厳しい時期も経験しました。1814年にはナポレオンの失脚に伴い、陸軍少将として昇進し、第10軍団長に任命されます。彼はブルボン王家の側近として活躍し、政治的な影響力を持つことになります。

外交官としてと首相就任

1823年、ポリニャックは国王ルイ18世によって駐英大使に任命され、ギリシャ独立戦争に関する外交調整を行いました。ロンドン条約に調印し、フランスの全権代表としての役割を果たします。1824年、アルトワ伯がシャルル10世として即位する中、ポリニャックは外務大臣、続いて首相に任命されました。しかし、彼の政治手法や家族に対する評判は悪化し、特に母親がマリー・アントワネット王妃の寵臣であったことから、彼自身も厳しい批判を受けました。

七月革命とその後

ポリニャック内閣は1830年6月にアルジェリア遠征を実施し、同年7月には「七月勅令」を発表しました。この政策は報道の自由の制限や有権者の権利剥奪などを伴い、市民の怒りを引き起こしました。その結果、七月革命が勃発し、ポリニャックは貴族院での裁判において終身刑を言い渡されましたが、1836年の大赦で国外追放され、イギリスに渡ります。

晩年と死

イギリスに亡命後、ポリニャックは特定の条件の下で帰国を許可され、1847年にパリ近郊のサン＝ジェルマン＝アン＝レーで生涯を閉じました。彼の波乱に満ちた人生は、フランスの政治史における重要な一ページとして今も語り継がれています。

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