ジュール・ミシュレ (装甲巡洋艦)

ジュール・ミシュレ (Jules Michelet)

フランス海軍の装甲巡洋艦ジュール・ミシュレは、1902年に整備された艦で、レオン・ガンベッタ級の改良型です。設計は名造船士官エミール・ベルタンによるもので、艦名はフランスの著名な歴史家ジュール・ミシュレに由来しています。

この艦艇の最大の特徴は、新型1902年型19.4cm速射砲を主砲として採用し、高速での航行能力を実現している点です。特に、速力23ノットを達成するために新型機関が導入されましたが、その結果、副砲の16.3cm砲の数は前級の16門から12門に減少しました。

艦形と設計

ジュール・ミシュレの船体形状は、先代と同様に高い乾舷を持った長船首楼型で、外洋の波に対する耐性は優れています。艦首部には前向きの19.4cm連装主砲塔が配置されており、艦橋構造は一回り低くなった箱型の形状をしており、シンプルなミリタリー・マストがそびえ立っています。

ミリタリー・マストの中部には探照灯台が設置されており、見張り所として機能します。艦橋の背後には4本の煙突が立ち並び、フランス海軍の大型艦ではお馴染みの缶室分離配置が採用されています。このため、煙突の2番と3番の間には広々としたスペースがあり、そこには四角形の通風筒が立っています。

煙突の周囲は艦載艇置き場として利用されており、艦載艇用の揚収クレーンが配置されています。具体的には、1番煙突と2番煙突の間に左右1基ずつ、2番煙突と3番煙突の間にも左右1基ずつ計4基のグース・ネック型クレーンが設置されています。

後部には、箱型の後部艦橋を基礎とした単脚式の後檣が立てられ、後部甲板上には後向きの19.4cm連装主砲塔が配備されています。

武装配置

ジュール・ミシュレの武装は、12基の16.3cm副砲の中から8基が単装式砲塔に収められており、舷側甲板上に等間隔に片舷4基ずつ配置されています。残りの4基は舷側ケースメイト配置となり、両艦橋の側に片舷2基が設置されています。

この武装配置により、艦は前後方向に最大で19.4cm砲2門と16.3cm砲6門を指向させることができ、左右舷側には19.4cm砲4門と16.3cm砲6門を向けることが可能です。これにより、ジュール・ミシュレはその運用性と火力を兼ね備えた実用的な艦艇となっています。

参考情報と関連項目

ジュール・ミシュレに関する詳細情報は、書籍『世界の艦船増刊第50集 フランス巡洋艦史』(海人社)で確認できます。また、フランス海軍艦艇一覧や、'Jules Michelet' (1904)に記載されている艦についての情報も参考になります。

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