ジョアン・ディクソン・カルバリオ

ジョアン・ディクソン・カルバリオ（João Dickson Carvalho、1952年12月29日 - ）は、ブラジルが生んだ名ストライカーであり、後に指導者としても活躍した人物です。日本では「カルバリオ」の登録名で知られています。

日本サッカー界への貢献

1975年、カルバリオはセルジオ越後の誘いを受け、藤和不動産サッカー部（後のフジタ工業クラブサッカー部、現在の湘南ベルマーレ）に加入しました。セルジオは間もなくチームを離れましたが、カルバリオはエースストライカーとして、マリーニョやセイハン比嘉といったブラジル人選手たちと共にチームを牽引。1977年、1979年、1981年の日本サッカーリーグ制覇に大きく貢献し、フジタの黄金時代を築き上げました。

その圧倒的な得点能力は、数々の記録にも表れています。1977年と1978年には日本サッカーリーグの得点王に輝き、特に1977年の23得点は、当時の日本リーグにおける1シーズン最多得点記録となりました。日本リーグ通算117得点は歴代2位、1部リーグ通算77得点も歴代3位という記録が、彼の輝かしい活躍を物語っています。

引退後

引退後、カルバリオは奥寺康彦が主催するサッカースクールのコーチを務めました。また、この時期には、人気バラエティ番組『ビートたけしのスポーツ大将』のサッカーコーナーに、カルロス・ニコトラと共に「たけし軍」の助っ人として出演した経験もあります。

その後、カルバリオはブラジルへ帰国し、コーチングライセンスを取得。現在は、兄が会長を務めるサンパウロ州リーグ2部（Campeonato Paulista da Segunda divisão、4部リーグに相当）のバレットスECでディレクターを務めています。

所属クラブ

グアラニFC
バレットスEC
フルミネンセFC
アラグリア
リオプレットEC
1974年 - 1982年：藤和不動産/フジタ工業
1983年 - 1986年：横浜トライスター/全日空横浜

個人タイトル

日本年間最優秀選手賞：1回（1977年）
日本サッカーリーグ 得点王：2回（1977年、1978年）
日本サッカーリーグ ベストイレブン：5回（1977年、1978年、1979年、1980年、1981年）

参考情報

加部究 『サッカー移民－王国から来た伝道師たち』（双葉社､2003年） ISBN 4575296023
『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

カルバリオは、その卓越した才能と情熱で、日本サッカー界に大きな足跡を残しました。彼の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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