ジョウシュウオニアザミ

ジョウシュウオニアザミ (Cirsium okamotoi)

ジョウシュウオニアザミは、キク科アザミ属に分類される多年草です。本州中部の限られた地域にのみ分布する、地域固有種として知られています。

特徴

草丈は60cmから90cm程度に成長します。全体的な印象はオニアザミに似ていますが、いくつかの点で区別できます。ジョウシュウオニアザミの葉は、オニアザミよりも切れ込みが深く、より鋭いトゲを持っています。このトゲは触れると痛いため、注意が必要です。

花期は7月から8月にかけてで、亜高山帯の雪渓周辺など、比較的涼しい環境で見られます。残雪の影響で開花時期が遅れることもあり、9月頃まで花を咲かせることがあります。花は下向きに1個から3個程度咲き、筒状花のみで構成された頭状花序は、鮮やかな紫色をしています。総苞には粘り気があるのも特徴の一つです。花期にも根生葉が残存しています。

分布と生育環境

アザミ属の植物は、広い範囲に分布するものもあれば、ジョウシュウオニアザミのように極めて限られた地域にのみ生育するものもあります。ジョウシュウオニアザミは、群馬県と新潟県の県境付近、およびそれに隣接する福島県と長野県の一部山域にのみ分布しています。基準産地は群馬県の至仏山です。これらの地域は亜高山帯に位置し、比較的冷涼な気候が保たれていることが、生育に適した環境となっています。

関連項目

アザミ
オニアザミ
* ナンブタカネアザミ

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