ジョシュア・ブラウン

ヴァイオリン界の若き才能として注目を集めるジョシュア・ブラウンは、1999年11月30日にアメリカ合衆国イリノイ州ガーニーに生まれました。彼の名前は、近年、権威ある国際コンクールでの輝かしい成績によって、広く知られるようになっています。卓越した技術と豊かな音楽性で、世界中の聴衆を魅了しています。

ブラウンの演奏家としての歩みは、2014年にクリーブランド管弦楽団と共演したことから始まりました。この時、彼はショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏し、鮮烈なデビューを飾りました。以来、国内外の主要な音楽コンクールに挑戦し、その才能を証明し続けています。

特に顕著な成績としては、2016年にストラディヴァリウス国際ヴァイオリン・コンクールで第3位に入賞したこと、そして同年にはENKOR国際音楽コンクールでヴァイオリン部門の大賞を受賞したことが挙げられます。さらに、2019年にドイツのアウクスブルクで開催された第10回レオポルト・モーツァルト国際ヴァイオリン・コンクールでは、複数の賞を総なめにする快挙を達成しました。ここでは見事第1位に輝いただけでなく、「モーツァルト」賞、聴衆賞、審査委員長特別賞、クロンベルク・アカデミー特別賞、さらにはCD制作特別賞といった主要な特別賞をすべて受賞し、その才能の幅広さと聴衆からの支持の厚さを示しました。

近年の活躍も目覚ましく、2023年には中国の北京で開催された全球音楽教育連盟のコンクールで優勝し、賞金10万ドルを獲得しました。そして、2024年には、音楽界で最も権威あるコンクールの一つとされるエリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門において準優勝を果たし、その評価を決定的なものとしました。

ブラウンは学業も怠らず、2024年5月頃にはボストンの名門、ニューイングランド音楽院で修士号を取得しています。同音楽院では、世界的なヴァイオリン教育者として知られるドナルド・ワイラースタイン氏に師事し、その薫陶を受けました。また、演奏活動も精力的に行っており、2024年11月17日には日本のオーケストラ福山の定期演奏会に、京都市交響楽団との共演で客演するなど、活躍の場を広げています。

彼が現在使用しているヴァイオリンは、極めて貴重な銘器として知られています。これは、1635年から1640年頃にイタリアのクレモナで、偉大なヴァイオリン製作家であるニコロ・アマティによって製作されたものです。『ニコロ・アマティ』と呼ばれるこの楽器は、メアリー・B・ガルヴィン財団およびストラディバリ協会の厚意によって、長期にわたりジョシュア・ブラウンに貸与されています。この歴史ある素晴らしい楽器が、彼の豊かな表現力をさらに引き出しています。

彼の演奏は、公式な録音でも聴くことができます。2024年のエリザベート王妃国際音楽コンクールの出場者による録音集『Violin 2024』には、他の参加者と共に彼の演奏が収録されています。このCDセットは、コンクール期間中のライブ録音を中心に構成されており、ディスク1にはヨハネス・ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77の演奏が、ディスク2にはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調作品30の2の演奏が収められています。これらの録音は、彼の現在の実力を知る上で貴重な音源となっています。録音は、2024年5月13日から18日にかけてフラジェ/スタジオ4で、そして同年5月27日から6月1日にかけてブリュッセル芸術センターで、ライブまたはスタジオ収録されました。

ジョシュア・ブラウンは、数々の国際コンクールで優れた成績を収め、名器ニコロ・アマティをその手に、ヴァイオリン界の未来を担う存在として、世界中から期待が寄せられています。今後の彼のさらなる活躍に、注目が集まっています。

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