ジョゼフ・マルマン

ジョゼフ・フェルディナン・マルマンは、1849年にフランスで生まれ、パリ外国宣教会に所属したカトリック司祭です。1877年に来日し、長崎県を中心に宣教活動に従事しました。特に、五島列島や黒島での活動が知られています。

生涯

マルマンは、フランスのソーヌ＝エ＝ロワール県シマンドルで誕生し、メクシミューの神学校で学びました。1875年にパリ外国宣教会に入り、1877年に日本へ派遣されました。

まず、五島列島の下五島地区で初代主任司祭として福江島の堂崎教会を拠点に布教活動を行いました。その後、1888年に五島を離れ、奄美大島や沖縄などを経て、1897年に黒島教会の主任司祭として着任しました。

当時、黒島には1880年に建てられた木造の教会堂がありましたが、マルマンは着任後すぐに新しい教会堂の建設に着手しました。彼は設計から資金調達、建設工事の監督、さらには教会内の用具や彫刻の制作まで自ら行い、1902年に新教会堂を完成させました。この教会堂は、彼の情熱と献身の結晶と言えるでしょう。完成した教会堂では献堂式が行われました。

マルマンは、新教会堂で司祭として務め続け、一時帰国した時期もありましたが、1912年に亡くなるまで黒島で司牧活動を続けました。彼の遺体は、黒島のカトリック信者共同墓地に埋葬されています。

マルマンの生涯は、異国での宣教活動における献身と、建築家としての才能を示しています。彼が建設した黒島天主堂は、現在もその美しい姿を残しており、彼の業績を物語っています。

マルマンと黒島天主堂

マルマンが黒島で建設した教会堂は、現在の黒島天主堂として知られています。この教会堂は、単なる宗教施設ではなく、マルマンの情熱と創造性が結集した芸術作品でもあります。彼は、自ら設計図を描き、地元の人々とともに建設を進めました。

教会堂の建設には、多くの困難が伴いましたが、マルマンはそれを乗り越え、素晴らしい建築物を完成させました。教会堂の内外には、彼が手がけた彫刻や装飾が施されており、その美しさは訪れる人々を魅了します。

黒島天主堂は、マルマンの精神を今に伝えるだけでなく、黒島の人々にとって心の拠り所となっています。また、長崎の教会群とキリスト教関連遺産の一部として、世界遺産にも登録されています。

参考文献

「図説 佐世保・平戸・松浦・北松の歴史」（久村貞男・萩原博文監修 2010年2月 郷土出版社刊）

関連情報

黒島天主堂
長崎の教会群とキリスト教関連遺産

外部リンク

長崎から世界遺産を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」
* パリ外国宣教会「joseph ferdinand MARMAND」

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