ジョバイロ/DON'T CALL ME CRAZY

ポルノグラフィティ19thシングル「ジョバイロ/DON'T CALL ME CRAZY」徹底解説

2005年11月16日、SME Recordsよりリリースされたポルノグラフィティの19作目のシングル「ジョバイロ/DON'T CALL ME CRAZY」は、前作から約3ヶ月ぶり、そして「ネオメロドラマティック/ROLL|ネオメロドラマティック_ROLL」以来となる両A面シングルです。 通常のアルバムCDケースを採用するなど、パッケージにも変化が見られました。

1. 「ジョバイロ」：情熱的なラテンフレーバー

TBS系列木曜ドラマ『今夜ひとりのベッドで』の主題歌として書き下ろされた「ジョバイロ」。スペイン語で「私は踊る」を意味するタイトルが示す通り、大人の恋愛模様を描いたドラマの世界観を反映した、ラテンフレーバーが色濃く香る情熱的な楽曲です。

作曲を手掛けたak.homma氏は、フィレンツェでの出来事をヒントに作曲したと語っており、作詞の新藤晴一氏は、歌詞に苦戦した末に生まれた「胸に挿した一輪の薔薇が赤い蜥蜴に変わる夜」というフレーズが、楽曲の印象的なキーワードとなっています。

演奏には、サポートメンバーであるNAOTO（バイオリン）や啼鵬（バンドネオン）も参加。NAOTO氏は、この曲をポルノグラフィティの楽曲の中で最もバイオリン奏者冥利に尽きるものだと評しています。

ミュージックビデオはストーリー仕立てで、俳優の袴田吉彦氏や野波真帆氏が出演。ポルノグラフィティのメンバーは登場しません。ライブでは、岡野昭仁氏がエレクトリックギター、新藤晴一氏がアコースティックギターという珍しい編成で演奏されることもありました。2005年の『第56回NHK紅白歌合戦』でも披露されました。

2. 「DON'T CALL ME CRAZY」：デスヴォイスが炸裂するロックチューン

ダイハツ工業「ムーヴカスタム」のCMソングとして起用された「DON'T CALL ME CRAZY」は、デスヴォイスを取り入れたアップテンポなロックナンバーです。ミュージックビデオはさいたまスーパーアリーナ地下駐車場で撮影され、「ジョバイロ」とは対照的に、ポルノグラフィティのメンバーも出演しています。

3. 「Free and Freedom」：愛と自由をテーマにした先行披露曲

2005年7月に開催された限定ライブ『C1000タケダ Presents ポルノグラフィティ プレミアムLIVE』で先行披露された「Free and Freedom」。ギターアレンジには小倉博和氏が参加し、レコーディングには小倉氏のコレクションギターが使用されました。

作詞を担当した岡野昭仁氏は、「愛と自由を歌う」というイメージから着想を得て、歌詞を創作したと語っています。当初は「イノセントジプシー」という仮タイトルでしたが、ライブ会場で現在のタイトルに変更されました。

参加ミュージシャン

各楽曲には数多くのミュージシャンが参加し、楽曲に深みと彩りを添えています。ドラム、ベース、パーカッション、ストリングス、コーラスなど、それぞれの楽器のスペシャリストが、楽曲の世界観を表現する上で重要な役割を果たしています。特に「Free and Freedom」では、小倉博和氏のギターが楽曲の雰囲気を決定づける上で大きな役割を果たしました。

まとめ

「ジョバイロ/DON'T CALL ME CRAZY」は、ドラマ主題歌、CMソング、ライブ先行曲と、多様な楽曲が収録された、ポルノグラフィティの代表作と言えるシングルです。それぞれの楽曲の背景や制作過程を知ることで、音楽への理解がより深まることでしょう。異なる魅力を持つ3曲を収録したこのシングルは、まさにポルノグラフィティの音楽性の幅広さを示す一枚と言えるでしょう。様々な音楽的アプローチが試みられており、リスナーを飽きさせない工夫が凝らされています。それぞれの楽曲の持つ個性と、それを支えるミュージシャンたちの技量の高さが、このシングルを名作たらしめていると言えるでしょう。

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