ジョルジェ・カラジョルジェヴィチ

ジョルジェ・カラジョルジェヴィチ：悲劇のセルビア王太子

ジョルジェ・カラジョルジェヴィチ（1887年8月27日 - 1972年10月17日）は、セルビア王太子として生を受けましたが、その生涯は波乱に満ちたものでした。ユーゴスラビア王アレクサンダル1世の兄としても知られています。

生い立ちと王太子時代

ジョルジェは、元セルビア公アレクサンダル・ペトロヴィチの長男として、モンテネグロの首都ツェティニェで誕生しました。しかし、幼少期に母を亡くし、父や兄弟とともに各地を転々とする生活を送ります。ロシアのアレクサンドル2世陸軍士官学校で学んでいた1903年、セルビアでクーデターが発生。オブレノヴィチ家の国王夫妻が暗殺され、父ペータル1世が新たな国王として迎えられました。これにより、ジョルジェはセルビア王太子となります。

王位継承の喪失

1909年、ジョルジェは自身の召使を殺害するという事件を起こし、王位継承者の地位を弟アレクサンダルに譲ることを余儀なくされます。この事件は、彼の人生における大きな転換点となりました。

軍人として

廃嫡後もジョルジェはセルビアに留まり、バルカン戦争や第一次世界大戦に兵士として従軍します。1914年には戦場で重傷を負うなど、勇敢な一面を見せました。

幽閉生活

1921年に弟アレクサンダル1世が即位すると、ジョルジェとの対立が深刻化。1925年、アレクサンダル1世は兄を逮捕し、精神病院に幽閉します。アレクサンダル1世が暗殺された後も、幽閉生活は長く続きました。第二次世界大戦中にドイツ軍によって解放されます。

第二次大戦後と晩年

第二次大戦後、共産主義政権下のユーゴスラビアにおいて、カラジョルジェヴィチ王家は敵とみなされますが、ジョルジェは国内に留まることを許され、ベオグラードに隠棲します。1947年、60歳で結婚。1972年にベオグラードで亡くなり、トポラの聖ジョルジェ教会に埋葬されました。

ジョルジェ・カラジョルジェヴィチの生涯は、王太子としての栄光から一転、不遇な運命を辿った悲劇的な物語として、歴史に刻まれています。

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