ツェティニェ

モンテネグロの古都ツェティニェ：歴史と文化が息づく街

ツェティニェは、モンテネグロの歴史的な首都であり、文化の中心として重要な役割を果たしてきた都市です。15世紀にイヴァン・ツルノイェヴィッチによって建設されて以来、オスマン帝国の侵攻から独立を守り抜いたモンテネグロの精神的な支柱として、その歴史を刻んできました。

歴史

15世紀、オスマン帝国の侵攻から逃れるため、イヴァン・ツルノイェヴィッチは山々に囲まれたカルスト地形に新たな首都を建設しました。これがツェティニェの始まりです。彼は修道院や庁舎を建設し、街はツェティナ川にちなんで名付けられました。19世紀にはオスマン帝国からの独立を達成し、ベルリン会議でその独立が承認されると、多くの国々がツェティニェに大使館を設置しました。

ニコラ1世の統治下で、ツェティニェは大きく発展しました。宮殿、女学校、病院などが建設され、1910年の王制移行後には政府庁舎なども建てられました。しかし、後にモンテネグロはセルビアに併合され、ユーゴスラビア王国の一部となり、第二次世界大戦後、首都はポドゴリツァに移されました。

地理

ツェティニェは、モンテネグロ南部の沿岸部に位置し、石灰岩の山々に囲まれたカルスト地形の中にあります。周囲の山々の中でも、ロヴチェン山は特に有名で、モンテネグロの国名の由来ともなっています。

文化と観光

ツェティニェは、モンテネグロの文化の中心地として、多くの歴史的建造物や博物館を有しています。ツェティニェ修道院、ヴラシュカ教会、旧王立劇場、各国大使館など、見どころは豊富です。近年、モンテネグロの独立に伴い、観光地としての魅力も再認識され、多くの観光客が訪れるようになっています。

主な観光スポット

ツェティニェ修道院: モンテネグロ正教会の重要な聖地であり、歴史的な遺物が数多く保存されています。
ヴラシュカ教会: 1450年に建立された教会で、美しいフレスコ画が残されています。
国立博物館: モンテネグロの歴史、文化、芸術に関する貴重なコレクションを所蔵しています。
旧王立劇場ゼツキ・ドム: 歴史的な劇場であり、現在も様々な公演が行われています。

印刷の歴史

ツェティニェは、印刷・出版の歴史も古く、15世紀にはツルノイェヴィッチ印刷所が設立され、キリル文字による印刷物を広めました。その後も、ニェゴシュ印刷所、国家印刷所などが設立され、モンテネグロの印刷文化を支えました。

博物館

ツェティニェには、モンテネグロ国立博物館によって管理されている博物館が数多くあります。

国家博物館
ペータル・ペトロヴィッチ・ニェゴシュ博物館
民族誌学博物館
歴史博物館
* 美術博物館

交通

ツェティニェは、ブドヴァ、ポドゴリツァから約30キロメートルの距離にあり、車で容易にアクセスできます。また、コトルからの道は、コトル湾の美しい景色を眺めることができます。最寄りの空港は、ティヴァト空港とポドゴリツァ空港です。


ツェティニェは、モンテネグロの歴史と文化を深く感じることができる魅力的な都市です。美しい自然と豊かな歴史遺産に触れ、モンテネグロの精神的な中心地を訪れてみてください。

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