ジョン (第3代ケント伯)

第3代ケント伯ジョン：若き王族の生涯

第3代ケント伯ジョン（1330年4月7日 - 1352年12月26日）は、イングランドの王族であり、ケント伯および第4代リデルのウェイク男爵でした。22歳という若さで亡くなった彼の生涯を辿ります。

生い立ちと家系

ジョンは1330年、初代ケント伯エドマンド・オブ・ウッドストックとマーガレット・ウェイクの末子としてサセックスのアランデル城で生まれました。父エドマンドはエドワード1世の息子であり、ジョンはエドワード3世の従兄弟にあたります。しかし、ジョンが生まれるわずか3週間前に、父エドマンドは反逆罪で処刑されるという悲劇に見舞われました。

エドワード3世が政権を握ると、父の伯位剥奪は覆され、兄のエドマンドが伯位を継承しました。1331年10月に兄エドマンドが亡くなると、幼いジョンが伯位を継承することになりました。

軍事作戦と領地

ジョンは1346年のクレシーの戦いに至る作戦に参加しました。彼はランカスター公ヘンリー・オブ・グロスモントの従者であったと考えられていますが、クレシーの戦い自体には参加していなかった可能性があります。同時代の人々は、ジョンの軍事的功績について特筆していません。

1347年、イングランド王エドワード3世はジョンに全遺産を与え、17歳にして母マーガレットから独立しました。ジョンは17の伯領に43の荘園と30の聖職者任命権を含む広大な領地を所有し、さらに6つの伯領で地代と騎士の報酬を受け取っていました。彼の年間収入は6,000ポンドを超え、これは当時の伯爵の生活を維持するのに十分な額でした。

結婚と晩年

1348年4月3日、ジョンはユーリヒ公ヴィルヘルム1世とジャンヌ・ド・エノーの娘イザベラと結婚しました。1349年には、伯父である第2代リデルのウェイク男爵トマス・ウェイクが子供を残さずに亡くなり、その財産はジョンの母マーガレットに引き継がれました。マーガレットが数か月後にペストで亡くなると、ジョンは母の寡婦財産の領地とトマスの遺領の両方を相続しました。

ジョンは1350年2月に領地を手に入れ、1351年4月10日にイングランド王から領地の相続の承認を得ました。

1352年、ジョンの姉ジョーンが息子を出産し、叔父の名にちなんでジョン・ホランドと名付けられました。ジョンはおそらく甥の名付け親を務めたと考えられています。しかし、ジョン自身とイザベラの結婚では子供は生まれませんでした。

ジョンはウォキングのお気に入りの荘園に居を構えていましたが、1352年12月23日にライホールの荘園をバーソロミュー・ド・バーガーシュに与えました。その直後にジョンは病気になり、回復することなく1352年12月26日に亡くなりました。彼はウィンチェスターのグレイフライアーズ教会の父の隣に埋葬されました。

ジョンの爵位は唯一生き残った姉ジョーンに継承され、ジョーンは4代目ケント女伯、5代目リデルのウェイク女男爵となりました。しかし、ジョンの未亡人イザベラは1396年になってもケント伯爵夫人の称号を名乗っていました。イザベラはジョンの死後ウェイヴァリー修道院に入り、自身も死ぬ前にグレイフライアーズ教会のジョンの隣に埋葬されることを望みました。

参考文献

Lawne, Penny (2015). Joan of Kent: First Princess of Wales. Amberley Publishing

外部リンク

Calendar of Inquisitions Post Mortem, Edward III, no. 46 – IPM of John, Earl of Kent.

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