ジョン・ウィリアムソン (バスケットボール)

ジョン・ウィリアムソン：ABAを彩ったスコアリングガードの光と影

ジョン・ウィリアムソン（John Williamson, 1951年11月10日 - 1996年11月30日）は、1970年代にABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）で活躍したバスケットボール選手です。コネチカット州ニューヘイブン出身で、ニューメキシコ州立大学を卒業。188cm、84kgの体格で、ガードとして活躍しました。

ABAでの輝かしいキャリア

1973年、ウィリアムソンはニューヨーク・ネッツ（現ブルックリン・ネッツ）に入団。同期には、後にNBAのスターとなるジュリアス・アービングもいました。当初はチームも苦戦しましたが、ウィリアムソンが先発に昇格すると状況は一変。アービングをサポートしながら、ハードなディフェンスと得点力でチームを牽引し、ネッツはリーグトップの55勝29敗を記録しました。

プレーオフでもウィリアムソンの活躍は続き、決勝では第6戦で第4Qに16得点をあげるなど、28得点を記録し、チームを優勝に導きました。この活躍で、ウィリアムソンはオールルーキー1stチームに選出されています。

その後もネッツはABA屈指の強豪チームとして君臨し、ウィリアムソンはアービングの相棒として活躍。1975-76シーズンには2度目の優勝を果たしました。

ABA消滅とNBAでの苦難

しかし、1976年、ABAはNBAに吸収合併される形で消滅。この出来事が、ウィリアムソンのキャリアに大きな影響を与えます。ネッツはNBAに加盟しましたが、莫大な加盟料を支払う必要があり、財政難に陥りました。その結果、ジュリアス・アービングを放出し、ウィリアムソン自身も1976-77シーズン途中にインディアナ・ペイサーズへ放出されました。

ペイサーズでは平均20.8得点をあげ、NBAでも得点力が通用することを証明しましたが、その後もチームを転々とします。古巣ネッツに復帰した際には平均29.5得点を記録するなど、その得点能力は健在でしたが、1980-81シーズンに29歳という若さで引退を余儀なくされました。

記録と評価

ABA/NBAキャリア通算で、ウィリアムソンは8シーズン516試合に出場し、9,017得点、1,274リバウンド、1,441アシストを記録。平均得点は17.5点、NBAのみに絞ると平均20.1点でした。

ネッツ時代には、フリースロー試投数やフィールドゴール試投数でチーム記録を樹立。その功績を称え、1990年12月7日には、ネッツ（当時はニューヨーク・ネッツ）でウィリアムソンの背番号『23』が永久欠番となりました。

早すぎる死

1996年11月30日、ジョン・ウィリアムソンは腎不全のため、45歳という若さでこの世を去りました。

関係者の証言

ネッツのヘッドコーチを務めたルー・カーネセカは、ウィリアムソンを「背は低いが、力強さ、粘り強さを持った選手で、得点力があった」と評価しています。また、アシスタントコーチを務めたロッド・ソーンは、「彼は優勝するために足りなかったピースだった」と語っています。

ジョン・ウィリアムソンは、ABAという短い期間の中で、その才能を輝かせた選手でした。ABA消滅という不運に見舞われましたが、彼の残した記録と記憶は、今もなお多くのバスケットボールファンに語り継がれています。

* Basketball-Reference https://www.basketball-reference.com/players/w/willijo01.html

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