ジョン・ウィンター

ジョン・ウィンター：時代遅れの跳躍スタイルで掴んだ金メダル

ジョン・ウィンター（John Winter、1924年12月3日 - 2007年12月5日）は、オーストラリアの陸上競技選手であり、1948年ロンドンオリンピックの走高跳で金メダルを獲得したことで知られています。西オーストラリア州のパース出身です。

若き才能の開花

ウィンターは、パースのスコッチカレッジ在学中から、そのアスリートとしての才能を発揮していました。15歳の時には、16歳以下の大会で走高跳1m79を記録し、オープンの大会でも1m85を記録するなど、早くからその潜在能力を示していました。

第二次世界大戦と競技の中断

第二次世界大戦中、ウィンターは空軍に参加し、イギリスで終戦を迎えます。大戦終了後、オーストラリアに帰国し、1947年と1948年のオーストラリア選手権を制覇。着実に実力をつけていきました。

ロンドンオリンピックでの金メダル

1948年、ウィンターはロンドンオリンピックに出場。走高跳の代表として参加しましたが、当初はメダル獲得は難しいと見られていました。その理由は、彼の跳躍スタイルが当時としては時代遅れのイースタンカットオフスタイルであったためです。出場した26選手の中で、このスタイルで跳躍を行っていたのはウィンターを含めてわずか2人。他の選手は、ベリーロールやウェスタンロールといった、より新しい技術を採用していました。

競技当日、ロンドンの空は冷たい雨に覆われ、厳しいコンディションとなりました。競技は数時間に及ぶ長丁場となり、1m95の高さには5人の選手が成功しました。そして、バーは1m98に設定されます。ここで、ウィンター以外の4人の選手が1回目の試技を失敗。しかし、ウィンターは1回目であっさりと成功させます。残りの選手たちは、残り2回のジャンプに挑みますが、冷たい雨に濡れた悪条件の中、誰一人としてクリアすることができず、ウィンターの金メダルが決定しました。

オリンピック後の活躍と引退

オリンピック後、ウィンターはすぐにオーストラリアに帰国せず、イギリスに滞在します。そのため、1949年のオーストラリア選手権は欠場しました。1950年にオーストラリアに帰国すると、その年のオーストラリア選手権を制覇。さらに、同年ニュージーランドのオークランドで開催された大英帝国競技大会（コモンウェルスゲームズ）でも優勝を果たしました。しかし、同年をもってウィンターは現役を引退。短い競技生活に終止符を打ちました。

主な実績

1948年 ロンドンオリンピック 走高跳 金メダル
1947年 オーストラリア選手権 走高跳 優勝
1948年 オーストラリア選手権 走高跳 優勝
1950年 オーストラリア選手権 走高跳 優勝
1950年 大英帝国競技大会 走高跳 優勝

外部リンク

ジョン・ウィンター - Olympedia（英語）

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