ジョン・クリーシー・ダガー賞

ジョン・クリーシー・ダガー賞について

ジョン・クリーシー・ダガー賞、またはニュー・ブラッド・ダガー賞は、英国推理作家協会（CWA）が優れた新人作家によるミステリ小説に与える権威ある文学賞です。この賞は、創設者の一人であるジョン・クリーシーを記念して1973年に設立されました。賞の趣旨は、新しい才能を発掘し、その作品が推理小説の界で評価されるようにすることにあります。

受賞作品は、過去の受賞者により投票で決定されます。そして、受賞者には1,000ポンドの賞金と装飾が施されたダガー（短剣）が授与されます。この賞は、ミステリ小説の新たな才能を見つけ出すことを目指しており、出版業界や読者からも大きな注目を集めています。

創設の背景

CWAは、英国における推理小説の発展を支援する目的で設立されました。特にジョン・クリーシーは、多くのミステリ作品を手がけた著名な作家です。その業績を讃え、彼の名前を冠したこの賞は、毎年新しい才能の発掘を楽しみにしている読者や業界関係者にとって、刺激的なイベントとなっています。

賞の運営とスポンサー

創設されて以来、ジョン・クリーシー・ダガー賞は数回のスポンサーの変更を経ています。設立当初から2002年まで設けられていたスポンサーは、出版社のシバース・プレス（Chivers Press）でした。2003年からは、BBCオーディオブックスが新たなスポンサーとして関与しています。これにより、作品の幅広い紹介や、オーディオ版の流通促進にも寄与しています。

歴代受賞作品

1970年代から現在まで、多くの作家がこの賞を受賞しています。初年度の1973年にはキリル・ボンフィリオリの「Don't Point That Thing at Me」が受賞し、その後もロジャー・L・サイモンやサラ・ジョージなど、名だたる作家が名を連ねています。

1980年代には、リザ・コディの「見習い女探偵」や、キャロル・クレモーの「アリアドネの糸」といった作品が賞を受賞し、多様なジャンルのミステリが評価されてきました。

1990年代には、パトリシア・コーンウェルの「検屍官」やウォルター・モズリイの「ブルー・ドレスの女」が注目を浴びるなど、現代のミステリ作家を代表するような作品が続々と受賞しています。

賞の意義

ジョン・クリーシー・ダガー賞は、新人作家にとって非常に重要な意味を持っています。この賞を受賞することで、その作家の名声が高まり、次の作品への期待も一層高まることでしょう。また、作品が評価されることにより、新人作家としての挑戦が一層励まされるのです。受賞者がもたらす新しい視点やアプローチは、読者にとっても新鮮な驚きを提供し、ミステリジャンル全体の発展に寄与しているといえるでしょう。

まとめ

このように、ジョン・クリーシー・ダガー賞は、優れた新人作家を讃えることにより、ミステリ小説界の未来を拓く大変重要な役割を果たしています。新たな才能が開花する場として、今後も多くの文学ファンや作家から注目され、愛され続けることでしょう。

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