ジョン・グラハム (初代ダンディー子爵)

初代ダンディー子爵ジョン・グラハム・オブ・クレーヴァーハウス

初代ダンディー子爵、ジョン・グラハム・オブ・クレーヴァーハウス（1648年 - 1689年）は、スコットランドの歴史において特に重要な役割を果たした貴族であり、軍人です。彼は名誉革命に反対し、ジャコバイト運動に強く関与していたため、死後は「麗しのダンディー」「流血のクレーヴァーズ」と称されるようになりました。

生い立ちと教育

彼はダンディー近郊で、サー・ウィリアム・ダンディーとマデリン・カーネギーの子として生まれました。彼の家系は、スコットランドの王ロバート3世にまで遡ることができ、また、モントローズ侯爵ジェイムズ・グラハムも彼の先祖にあたる重要な人物でした。1652年に父が死去した後、ジョンは叔父の庇護の下、弟ディヴィッドとともに育てられました。セント・アンドルーズ大学で学び、1661年に卒業するまでの彼の教育が、その後の人生に大きな影響を与えました。

軍人としてのキャリア

1672年にオランダ侵略戦争が始まると、彼はイングランド王チャールズ2世の庶子であるモンマス公爵の軍に参加し、1680年にかけてフランスとの同盟関係のもとで戦いました。1674年にイングランドとオランダの和談が結ばれると、彼はオランダ総督ウィレム3世に改宗し、スネッフの戦いにも参加しました。その後、スコットランドに戻った彼は、チャールズ2世の命令で反乱を鎮圧するために出動し、容赦のない裁判と処刑を行ったことで「流血のクレーヴァーズ」として知られるようになりました。

彼は1680年にスコットランド連隊の大佐として任命され、その後も次第に軍内での地位を高めていきます。1684年にはジーン・コクレーンと結婚し、家庭を持つことになりました。

ジャコバイト運動とその後

1685年にジェイムズ2世が即位すると、彼に仕えたダンディーもまた昇進し、名誉革命の際にはスコットランド軍の司令官として重要な役割を担うことになります。しかし、反乱における彼とウィリアム3世軍との間の対立は激化し、最終的には1689年にスターリングを拠点に挙兵します。

彼の率いるジャコバイト軍は、キリークランキーでの戦闘でイングランド軍に勝利を収めますが、彼自身はその戦闘中に流れ弾に当たり、命を落としてしまいます。ダンディーの死は反乱の終息の契機となり、名誉革命政権の安定化に寄与しましたが、それでもハイランド地方の完全な鎮圧には至りませんでした。

遺産

ダンディーの戦死により、スコットランドでは不穏な情勢が続き、1707年にはイングランドとスコットランドが一体化したものの、ジャコバイトの抵抗は続きました。ジョン・グラハムの遺体は戦場近くに埋葬され、その爵位は彼の息子、ジェイムズ・グラハムが継承しました。彼の生涯と戦歴は、スコットランドの歴史において今なお重要な位置を占めています。

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