ジョン・サンビー

ジョン・ウィリアム・サンビー（1858年8月25日 - 1925年6月22日）は、カナダ・メソジスト教会の宣教師として、日本のキリスト教史に足跡を残しました。

1858年、サンビーはカナダのオタワで生まれました。ヴィクトリア大学を卒業後、オタワ・メソジスト教会ロンドン年会で按手礼を受け、1886年に宣教師として日本へ派遣されます。来日後、東京で日本語を習得し、翌1887年4月には自給伝道隊の一員として甲府に派遣され、山梨県尋常師範学校および山梨中学校で教師として働きながら、メソジスト教会の開拓伝道に尽力しました。山梨での活動は、サンビーにとって日本での伝道活動の基盤を築く重要な期間となりました。

1889年、サンビーは金沢へと活動の拠点を移します。しかし、1893年には健康上の理由からカナダへ帰国せざるを得なくなりました。一時帰国を余儀なくされたものの、サンビーの日本への思いは途絶えることなく、1910年に再び来日し、1917年まで金沢で精力的に奉仕活動を行いました。

1918年、サンビーは東京へと活動の場を移し、根岸、日暮里町、亀戸、東町などを中心に、社会事業センターを設立し、東東京伝道事業を組織しました。社会福祉の向上と人々の精神的な支えとなるべく、献身的に活動を続けましたが、1921年に再び健康を害し、惜しまれながらも退職、カナダへ帰国することとなりました。

カナダへ帰国後、サンビーはブリティッシュ・コロンビア州のヴィクトリアに居を構え、教会活動を支援するかたわら、日本での経験を活かして日本に関する著作を執筆しました。日本での伝道活動、教育活動、社会事業への貢献は、彼の人生における重要な部分であり、その経験は著作を通じて後世に伝えられました。

サンビーの日本における活動は、メソジスト教会の発展に大きく貢献しただけでなく、日本の社会福祉の向上にも寄与しました。彼の教育者としての側面、社会事業家としての側面、そして著述家としての側面は、多岐にわたり、その功績は今日においても高く評価されています。

参考文献
『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

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