按手

按手（あんしゅ）について

按手は、キリスト教における儀式であり、主に聖職者の任命や祝福に関連して行われます。この行為は、教会の指導者が聖職者志願者の頭に手を置くことから成り立っています。この際、彼らは神に対して、その志願者に必要な賜物と権能を授けるよう祈るのです。按手は使徒の時代から続いており、信者たちはこの儀式を通じて権限が伝承されていると信じています。

儀式の実践

按手は、特にカトリック教会による叙階や正教会の神品機密で重要な役割を果たします。カトリックでは、司教や主教が堅信式でもこの行為を行ないます。プロテスタントの教派でも「按手礼」という用語が使われることがありますが、これらは必ずしもサクラメントとしては認識されていません。広義には、頭に手を置き神に祈る行為全般を指すこともあり、聖餐を受けられない者に対して祝福を与える際に用いられることもあります。

聖霊派の教会では、癒やしを祈る際に按手の行為が行われることもあります。また、病者のために油を注ぐ儀式にもこの動作が含まれています。

仏教における按手

興味深いことに、按手の概念はキリスト教に限らず、仏教にも見られます。たとえば、黄檗宗の禅僧である河口慧海の著作にも現れ、僧侶が信者に対して手を置いたりかざす行為が見られます。これは洗礼に相当する灌頂とも関連しています。

聖書における按手

按手は、旧約聖書と新約聖書の両方で見受けられ、祝福、癒し、聖霊の受け取りなど多様な目的で言及されています。

旧約聖書の例

- イスラエルが弟のエフライムに右手を置いて祝福した（創世記48:14）。
- 神がモーセにヌンの子ヨシュアに手を置くよう命じ、実際にその手を通じて神の知恵を授けた（民数記27:18-19）。

新約聖書の例

- イエスがペテロの姑に手を置いて癒したエピソード（マタイ8:14-15）。
- 耳が聞こえなかった人に手を置くことで癒したイエスの行動（マルコ7:32-35）。
- 聖霊の授与の際にペトロが人々に手を置いた（使徒8:17）。

実際、使徒行伝ではパウロがその行為によって目を治すエピソード（使徒9:17）や、教会の指導者たちが聖霊からの導きを受けて手を置いた事例（使徒13:2-3）など、さまざまな場面で按手が重要な儀式の一部として描かれています。

結論

按手の儀式はキリスト教徒にとって、精神的な祝福と連帯感を得る重要な行為です。神の力を人々に伝えるための動作であり、特別な伝統と信仰に基づいて行われる重要性は、今もなお色あせることはありません。

もう一度検索