ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド

ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド

ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド（John James Rickard Macleod）は1876年にスコットランドで生まれ、1935年にこの世を去るまで、医学界に多大な功績を残した著名な研究者です。特に彼は1923年にフレデリック・バンティングと共にインスリンの発見を行い、その業績によりノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

人物・経歴

マクラウドは小さな町の牧師の家に生まれ、教育を受ける中でアバディーン大学で学びました。卒業後はドイツのライプツィヒ大学に留学し、さらにロンドン・メディカル・スクールでの研究を経て、1903年にはアメリカのウェスタン・リザーブ大学で生理学教授としての職に就きました。この後、1918年にはカナダのトロント大学に転任し、さらに10年後には母校のアバディーン大学に戻り、教授職に就くこととなります。

1920年、トロント大学の卒業生であるフレデリック・バンティングから、糖尿病を防ぐホルモンの抽出実験を行いたいとの申し出を受けます。当初、マクラウドはその実験に懐疑的でしたが、バンティングや医学生チャールズ・ベストに研究を任せることに同意し、実験室と10匹の実験犬を提供することにしました。この間に、バンティングらは血糖を下げる物質の抽出に成功し、その物質がインスリンと名付けられました。休暇から戻ったマクラウドは成果を見て、研究チームを強化し、生化学の専門家であるジェームス・バートラム・コリップを加えました。こうして、マクラウドはすぐにインスリンを大量に抽出する方法の開発に取り組みました。

1922年には、糖尿病に苦しむ少年にイヌのインスリンを投与し、命を救ったことでも知られています。この成功は、インスリンがいかにして糖尿病の治療に寄与するかの重要な証明となりました。

そして1923年、二人はインスリンの発見からわずか2年後にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。しかし、その受賞を巡る状況は複雑でした。バンティングは自身の功績が強調されず、共同受賞に憤慨していたと伝えられています。バンティングは得た賞金をベストと分け合い、マクラウドもコリップに功績に応じた賞金を渡しました。また同年には王立協会のフェローにも選出されています。

影響と遺産

マクラウドの業績は単にインスリンの発見に留まらず、糖尿病の治療に革命をもたらしたことから、医療分野において重要な役割を果たしました。彼の研究は、多くの人々に命を救う治療法を提供し、その後の医療研究の基礎となりました。彼の生涯における成果と影響は、今なお多くの医学者や研究者に引き継がれ、多大な感謝をもって迎えられています。彼の名前は、現在もインスリン療法や糖尿病の研究において重要な歴史の一部として語り継がれています。

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