ジョン・デサグリエ

ジョン・デサグリエ (John Theophilus Desaguliers)

ジョン・デサグリエ（またはジャン・デサグリエ、1683年3月12日 - 1744年2月29日）は、17世紀後半から18世紀にかけて活躍したフランス生まれのイギリスの科学者です。彼は、物理学、工学、そしてフリーメイソンとしての活動を通じて、多岐にわたる分野に貢献しました。

生涯と業績

デサグリエは、ユグノー教徒の子息としてフランスのラ・ロシェルで生まれました。1685年のナントの勅令廃止により、家族とともにイギリスへ逃れました。オクスフォード大学クライスト・チャーチ・カレッジで神学と古典を学び、1710年に輔祭となります。しかし、彼は神学だけでなく自然科学にも強い関心を持ち、研究に励みました。

1712年にロンドンへ移り、アイザック・ニュートンをはじめとする王立協会のメンバーと交流を深めます。そして1714年には、王立協会のフェローに選出されました。デサグリエは、スティーヴン・グレイに次いで、導体と不導体の区別を認識した初期の人物の一人です。彼は「electrics（電気的性質）」と「nonelectrics（非電気的性質）」という用語を作り出し、電気現象の研究に貢献しました。ただし、ここでいう"electrics"は不導体を、"nonelectrics"は導体を指します。この名称は、物質を摩擦した際に帯電するかどうかに着目したことに由来します。

デサグリエは、ニュートンの理論を広めるための著作『A course of Experimental Philosophy』を出版しました。また、1734年、1736年、1741年の3回にわたり、王立協会からコプリ・メダルを授与されています。これは、彼の科学に対する貢献が広く認められた証です。

発明家としても才能を発揮し、トーマス・セイヴァリの蒸気機関の解析と改良に取り組みました。ボイラの安全弁の追加、蒸気暖房システムの開発、レシーバ容器内への冷水直接噴射などの発明は、産業革命の初期における技術革新に大きく貢献しました。

フリーメイソンとしての活動

デサグリエは、フリーメイソンの有力なメンバーとしても知られています。彼のフリーメイソンにおける活動は、彼の思想や社会観に大きな影響を与えたと考えられています。

ジョン・デサグリエは、科学者、発明家、そしてフリーメイソンとして、18世紀のイギリス社会に大きな足跡を残しました。彼の業績は、今日の科学技術の発展にも繋がっています。

参考文献・外部リンク

* John Theophilus Desaguliers (1683–1744) - nature: https://www.nature.com/articles/419247a

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