ジョン・トランブル

ジョン・トランブル: アメリカ独立戦争の画家

ジョン・トランブル（1756年6月6日 - 1843年11月10日）は、アメリカ独立戦争の重要な画家であり、多くの歴史的な場面を生涯を通じて描きました。彼の作品の中には、現在2ドル紙幣の裏面にも使われている『独立宣言』があります。トランブルの絵は、当時のアメリカの誇りと歴史を強く反映しています。

初期の経歴

トランブルはコネチカット州のレバノンで、当時の州知事であるジョナサン・トランブルの四男として誕生しました。彼は幼い頃に事故で片目の視力を失うものの、15歳でハーバード大学に入学し、1773年に卒業します。この技術的なハンディキャップは、後の彼の詳細な画風に影響を及ぼしたと考えられています。
彼はアメリカ独立戦争中には兵士としても従軍し、ボストンでのイギリス軍の防御施設の絵を描く任務に従事。また、バンカーヒルの戦いも目撃しています。その後、ジョージ・ワシントンの副官としても勤めました。

1780年、トランブルはロンドンに渡り、王室画家ベンジャミン・ウエストのもとで学ぶことになります。このころから彼の画家としてのキャリアが本格的に始まりますが、捕虜となり、7か月間収監される時期もありました。その後、トランブルはウエストの指導の下、独立戦争に関連する絵画を描くことになります。

中期の業績

トランブルは1831年にイェール大学に一連の絵画、すなわち28の大作と60の小型肖像画を売却しました。これにより、彼の作品の最も大規模なコレクションが形成されました。彼の肖像画には、ジョージ・ワシントンやジョン・アダムスをはじめとする多くの著名人の作品が含まれています。

晩年と影響

1816年から1825年までアメリカ美術アカデミーの学長を務めましたが、学生との関係がうまくいかず、アカデミーは解体されます。自伝を出版し、彼の影響力は後世に語り継がれることとなります。ジョン・トランブルは88歳で亡くなり、最初はイェール大学画廊の下に葬られました。彼の絵画は現在、アメリカ合衆国議会議事堂や美術館に数多く収蔵されており、歴史の証人として今も多くの人々に愛されています。

彼の代表的な作品には『バンカーヒルでのウォーレン将軍の死』や『コーンウォリス卿の降伏』等があり、これらはアメリカの歴史を伝える重要な絵画となっています。トランブルの業績は彼の死後も多くの人々に影響を与え続け、歴史を語る重要なアーティストとして現在も評価されています。

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