ジョン・ハム (俳優)

ジョン・ハム：成功への道のり、そして野球への情熱

ジョン・ハムは、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスで1971年3月10日に生まれた俳優です。彼のキャリアは順風満帆とは言い難く、数々の困難や葛藤を乗り越えて現在の地位を築き上げてきました。

幼少期は両親の離婚を経験し、複雑な家庭環境の中で育ちました。母親の病気により、10歳の時に父親のもとへ身を寄せ、私立高校ではサッカー、野球、水泳に打ち込みました。高校時代には将来女優となるサラ・クラークと交際し、学生劇への出演経験も積みましたが、この時点では俳優を志すつもりはありませんでした。テキサス大学に進学するも、20歳の時に父親を亡くし、地元に戻りミズーリ大学を卒業。その後は母校で教師として勤務していました。

しかし、俳優への夢を諦めきれず、1995年、わずか150ドルを握りしめ、ロサンゼルスへ移住します。この大胆な決断が、彼の運命を大きく変えました。地道な努力と才能が実を結び、2007年、AMC製作のテレビドラマシリーズ『MAD MEN マッドメン』への出演が決まります。このドラマの大ヒットにより、一躍スターダムにのし上がりました。

『MAD MEN マッドメン』での圧倒的な演技力は高い評価を受け、2008年にはゴールデングローブ賞男優賞（ドラマシリーズ部門）を受賞。エミー賞にも7度ノミネートされ、最終シーズンで悲願の初受賞を果たしました。彼のキャリアにおける大きな転換点であり、数々の賞へのノミネートや受賞は、彼の演技力の証です。

私生活では、1990年、テキサス大学在学中に起きた友愛会での暴力事件に関与し、保護観察処分を受けています。この事件は、彼の若き日の過ちとして、常に影を落としてきました。1997年から交際していた女優で脚本家のジェニファー・ウエストフェルトと2015年に破局。2023年には、『MAD MEN マッドメン』で共演したアンナ・オセオラと婚約を発表しています。

ジョン・ハムのもう一つの顔は、熱狂的なセントルイス・カージナルスのファンであることです。10代の頃には、カージナルスのワールドシリーズ出場をすべて球場で見届けており、2011年の優勝時には公式記録DVDのナレーターを務めました。彼の野球への深い愛情は、単なる趣味の域を超えています。映画『ミリオンダラー・アーム』への出演も、プロデューサー陣が彼の野球好きを踏まえて決めたというエピソードがあります。ESPNのジム・ケイプルとのインタビューでは、もし過去に戻れるなら1968年のワールドシリーズ第1戦、ボブ・ギブソンが完封勝利を挙げた試合を観戦したいと語っています。

数々の賞を受賞した演技力、そして熱狂的な野球ファンとしての顔を持つジョン・ハム。彼のこれまでの人生、そしてこれからの活躍に注目が集まります。日本語吹き替えでは、『MAD MEN マッドメン』以降、山寺宏一をはじめ、東地宏樹、藤真秀、相沢まさきらが担当しています。彼の魅力的な声と演技が、多くの日本人の視聴者に届いているのです。

もう一度検索