完封(かんぷう、shut-out)
完封は、スポーツの世界において使用される用語であり、特に
野球や
アイスホッケーなどで相手チームを得点させずに勝利を収めることを指します。このような試合が記録されることは選手やチームにとって特別な意味を持ちます。
野球における完封
野球では、完封の記録は
投手に関連しています。
先発投手が試合開始から終了までの間に相手チームに得点を許さず、
勝利投手となれば、その試合は「完封勝利」として記録されます。この中で重要な要素は、試合が
コールドゲームなどになった場合でも、その
投手には完封勝利が与えられる点です。
また、
ノーヒットノーランや
完全試合はいずれも完封が前提となっています。通常、1人の
投手が
完投することによって完封が記録されますが、途中で
リリーフ投手が
登板しそのまま無失点で抑えた場合、交代した
投手にも完封が認められます。特に、無死・無失点の状態から交代が行われ、最後の
投手が無失点で試合を終えると、その
投手にも完封が記録されることになります。
ただし、もし
先発投手が無失点で
完投したにもかかわらず、味方も得点できず試合が引分になった場合は、完封ではなく
完投と引分が記録されます。したがって、完封試合というのは、
投手が完封を果たしたかどうかにかかわらず、相手に得点を許さなかった試合のことを指します。
近年、
投手の役割が分業化され、複数の
投手が連携して相手チームを無得点に抑える「完封リレー」という戦術が増えてきています。チームの
投手成績においては、無得点の試合数が「完封」に記録され、個々の
投手の完封数もカウントされています。
プロ野球における完封の記録
日本のプロ
野球では、2010年の
中日ドラゴンズおよび2011年の北海道日本ハムファイターズが記録した「5試合連続完封勝利」が特に有名です。また、
完投して
投球数100未満のまま9回を投げた場合は「マダックス」と呼ばれます。この名称は、伝説的な
投手である
グレッグ・マダックスに由来しています。
アイスホッケーでは、試合の間に失点を許さずにボールを守った
ゴールテンダーが完封の記録を得ます。そのため、
ゴールテンダーは試合の開始から終了まで失点が0の状態を維持する必要があります。
NHLにおいて、完封勝利の最多記録はマーティン・ブロデューアの125勝です。この記録は、
ゴールテンダーにとって非常に名誉なものであり、多くの選手がこれを目指しています。
完封という記録は、各スポーツにおいて選手の能力やチームの戦略を示す重要な指標であり、ファンにも大いに注目されています。それぞれのスポーツにおいて異なるルールや条件が設けられていますが、いずれも相手チームを抑え込む難しさと、それを達成することの意義を物語っています。