ジョン・ハリディ

ジョン・ハリディ（Jon Halliday）は、1939年6月28日生まれのイギリスの歴史研究家です。ロシア史を専門とし、ロンドン大学キングス・カレッジで上級客員研究員を務めていました。オックスフォード大学で学んだ後、西ロンドンのノッティング・ヒルに居を構えています。

ハリディは、本来の専門であるロシア史以外にも、映画監督のダグラス・サークやピエル・パオロ・パゾリーニへのインタビュー集を出版するなど、幅広い分野で活動しています。著書・編著は7冊を超え、妻であるユン・チアンとの共同研究による毛沢東の伝記『マオ 誰も知らなかった毛沢東』は世界的なベストセラーとなりました。しかし、この著作は学界から多くの批判を受けることにもなりました。

重村智計は、ハリディが朝鮮戦争について北朝鮮寄りの歴史修正主義的な解釈を行っていると指摘しています。この点は、彼の研究に対する評価が分かれる要因の一つとなっています。


家族・親族

弟：フレッド・ハリディ（歴史家）
妻：ユン・チアン（作家、1991年結婚）


主な著書

単著
『A Political History of Japanese Capitalism』（1975年）
共著
『Japanese Imperialism Today』（1973年、ガバン・マコーマックと共著）
『日本の衝撃―甦える帝国主義と経済侵略』（1973年、林理介訳）
『Mme Sun Yat-Sen (Soong Ching-ling)』（1986年、ユン・チアンと共著）
『Korea: the Unknown War』（1988年、ブルース・カミングスと共著）
『朝鮮戦争―内戦と干渉』（1990年、清水知久訳）
『Mao: the Unknown Story』（2005年、ユン・チアンと共著）
『マオ―誰も知らなかった毛沢東』（2005年、土屋京子訳）
『真説 毛沢東―誰も知らなかった実像』（2016年、改題）
編著
『Sirk on Sirk: Interviews with Jon Halliday』（1971年）
『サーク・オン・サーク』（2006年、明石政紀訳）
『The Artful Albanian: Memoirs of Enver Hoxha』（1986年）
『Pasolini on Pasolini: Interviews with Jon Halliday』
『パゾリーニとの対話』（1972年、波多野哲朗訳）
共編著
『The Psychology of Gambling』（1974年、ピーター・フラーと共編）


参考文献

重村智計「北朝鮮の拉致, テロ, 核開発, 有事の国際関係」『早稲田大学社会安全政策研究所紀要』第3巻、早稲田大学社会安全政策研究所(WIPSS)、2011年


ジョン・ハリディの研究は、その多岐にわたるテーマと、時には論争を呼ぶ解釈によって、常に注目を集めています。

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