ジョン・ブキャナン・フロイド

ジョン・ブキャナン・フロイド

ジョン・ブキャナン・フロイド（1806年6月1日 - 1863年8月26日）は、アメリカ合衆国バージニア州出身の政治家であり、南北戦争においてアメリカ連合国の将軍として知られています。彼はジェームズ・ブキャナン大統領の下で第24代アメリカ合衆国陸軍長官を務め、その後の動向が南北戦争に多大な影響を与えました。

生い立ちと初期の経歴

フロイドはバージニア州ブラックバーグにある「スミスフィールド」と呼ばれる地所で生まれました。彼は1826年にサウスカロライナ大学を卒業後、バージニア州で弁護士としてのキャリアをスタートしましたが、健康を害した結果自身の財産を失いました。
その後、彼は1847年から1849年、および1853年にはバージニア州議会の下院議員を務め、1849年から1852年までバージニア州知事を歴任しました。その中で、逃亡奴隷の帰還を拒否する州に対して、輸入税を課す法律の制定を提案しました。

アメリカ合衆国陸軍長官

1857年3月、フロイドはジェームズ・ブキャナン大統領から陸軍長官に任命されましたが、政権に入って間もなくその管理能力が問題視されます。特に、1860年12月に浮上した政府契約業者からの手形受領の疑惑により、ブキャナン大統領は彼に辞任を求めました。その後、フロイドは収賄の容疑で起訴されましたが、証拠不十分で棄却されています。その結果、彼は陸軍長官を辞職することになりました。
未だ合衆国の敗北を予測していなかったフロイドは、辞任後に南部連合に迎合する姿勢を見せ、北部政府から武器を持ち出す行動をとります。その行動についてはメディアから非難され、さらなる調査が行われました。

南北戦争

バージニア州の連邦離脱に伴って、フロイドはバージニア州暫定陸軍で少将に就任し、その後アメリカ連合国陸軍の准将に昇進しました。彼はロバート・リー将軍の部下として複数の作戦に参加し、特にドネルソン要塞の指揮を任されました。しかし、彼は実務経験が不足しており、要塞防衛においては適切な対処ができませんでした。これは後の戦闘において、多大なる損失を被る結果となりました。
結局、ドネルソン要塞は北軍の攻勢により陥落し、フロイドは北軍に捕らえられることを恐れて脱出を選び、指揮権を部下に譲渡します。フロイドは何とか逃亡には成功しましたが、連合国大統領のジェファーソン・デイヴィスからその後、軍職を解除されます。

晩年

南北戦争終息後、フロイドはバージニア州に戻り、州民兵の少将として再び軍務に就きましたが、健康が悪化し軍を退くこととなります。1863年8月26日、彼はバージニア州アビンドンにて亡くなり、その遺体はシンキングスプリング墓地に安置されました。

家族

フロイドの父親はバージニア州の知事を務めたジョン・フロイドで、母親はアイルランドから移住したウィリアム・プレストンの娘レティシア・プレストンです。フロイドは1830年6月1日に従姉のサラ・ブキャナン・プレストンと結婚しました。

彼の経歴は、南北戦争の複雑な政治的背景を物語る重要な一面を持っており、その行動は多くの議論を引き起こしています。

もう一度検索