ジョン・ベイナー

ジョン・アンドリュー・ベイナーについての詳細

ジョン・アンドリュー・ベイナー（1949年11月17日生まれ）は、アメリカ合衆国の共和党に所属する政治家であり、最も注目を集めたのは下院議長職です。彼は13期にわたり連邦下院議員として活動し、その中で多くの要職を歴任しました。

生い立ちと初期のキャリア

ベイナーはオハイオ州シンシナティ近郊のレディングに12人兄弟の次男として生まれました。ベトナム戦争時には海軍に徴兵されましたが、身体の障害により名誉除隊となりました。家庭は裕福ではありませんでしたが、彼は努力を重ねてゼイビアー大学で経営学の学士号を取得します。大学卒業後は地元のプラスチック関連企業に就職し、経営者として成功を収めました。

1984年にはオハイオ州の州下院選に共和党候補として出馬し、当選を果たします。その後1990年まで在任し、政治キャリアをスタートさせました。

連邦下院議員としての活動

1990年、ベイナーはオハイオ州第8選挙区から連邦下院に進出し、以後13期連続で当選を果たしました。彼は議員初期において、下院の綱紀粛正を求める活動で注目を浴び、同期当選者のリック・サントラムらと共に「七人組」と称されました。

ニュート・ギングリッチの側近としても活動し、ギングリッチが実施した保守革命と「米国との契約」による議会での逆転を後押ししましたが、1999年にギングリッチが下院議長を辞任すると、彼も無役となります。

政界での成長

下院共和党内の変動の中、ベイナーは2001年より教育労働委員長を務めるものの、不遇な時期を迎えました。しかし2005年、トム・ディレイが失脚すると、改革を求める中堅議員たちから支援を受け、2006年に多数党院内総務に就任しました。この時期、彼はオバマ政権の政策に対抗し、共和党を再び勢い付ける役割を果たします。

2010年の中間選挙では、ベイナーが掲げた「米国との誓約」という公約が効果を発揮し、共和党は下院で大勝。これにより彼は下院議長への道を確かなものにしました。

下院議長としての実績

2011年、彼は正式に下院議長に選出されます。議長として、オバマ政権との対立を強め、債務上限問題などを巡り政府と激しく対立。2015年には下院議長を辞任し、政界引退を表明しました。

引退後の活動

引退後、2016年の共和党予備選挙ではドナルド・トランプを支持し、テッド・クルーズを辛辣に批判しました。タバコ会社や法律事務所での役職を経て、マリファナの合法化を推進する企業に関わりました。

人物的特徴

ベイナーは涙もろい性格として知られ、演説中には感情が高ぶり涙を流すこともありました。議長退任の日には、自身の涙を予告するためにティッシュペーパーを持参し、シリアスな場面で笑いを取る一幕も。彼はその人柄によって、多くの支持を集めてきました。

彼の政治家的な道のりは、アメリカの議会における重要な歴史の一部として記憶されることでしょう。

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