ジョン・ペルゼル

ジョン・キャンベル・ペルゼルの生涯

ジョン・キャンベル・ペルゼル（John Campbell Pelzel）は、アメリカ合衆国の人類学者で、生涯にわたり多くの業績を残しました。彼は1914年7月25日に生まれ、1999年10月18日に死去しました。特に彼の職業人生において、連合国軍占領下の日本での活動や、各種人類学的研究が注目されています。

幼少期と教育

ペルゼルはフィラデルフィアで生まれたとのことですが、カンザス州出身とも言われています。彼の家族は1918年、ペルゼルがまだ若干4歳のときに、日本の統治下にある朝鮮へと移住しました。この移住は、彼の父が英語教師または宣教師としての職務に従事するためでした。その後、ペルゼル一家は1931年まで朝鮮に住むことになります。

帰国後、彼はシカゴ大学で学び、1935年に卒業。その後、ハーバード大学大学院に進学し、人類学を専攻しました。彼は当初メキシコの研究に関心を持っていましたが、次第にアジアの文化に焦点を移しました。1940年には、著名な考古学者鄭德坤（Cheng Te-k’un）の指導の下、中国やシベリア、日本、東南アジアに関する大規模な調査プロジェクトに参加し、その成果を修士論文としてまとめました。1941年にはMAを取得しています。

軍事経験と戦争

ペルゼルはその後、アメリカ海兵隊に入隊し、少尉に任官されました。1941年7月にはハワイ大学で日本語教師としての研修を開始し、真珠湾攻撃の直前には、アメリカ海軍が設立した日本語学校に派遣されます。この時期の彼は、日本軍の空襲に対抗するため、同僚と共に対空砲を使う経験もしました。

太平洋戦争中、ペルゼルはニュージーランドのウェリントンに配属され、その後タラワ島やサイパン島、テニアン島へと移動しながら戦争を経験します。最終的には、予備役少佐として退役します。

戦後の活動

戦後、ペルゼルは再び大学院での学びを続け、連合国軍占領下の日本における連合国最高司令官総司令部（GHQ）民間情報教育局（CIE）に就任します。この時期、彼は日本人の識字能力に関する調査委員会の担当者となり、調査結果を『日本人の読み書き能力』（東京大学出版部）としてまとめます。彼は、日本語のローマ字化を支持しており、漢字表記が識字力低下の原因であるとの結論を引き出そうとしたとされています。

1949年にアメリカに帰国した後、彼は博士論文「Social Stratification in Japanese Urban Economic Life」を完成させ、1950年にはハーバード大学に講師として採用されました。彼は多くの役職を務め、特に1975年までハーバード燕京研究所の所長を兼任しました。

1979年に退職し、アリゾナ州で引退生活を送りながらも、軍関係者から日本に関する助言を求められることが多々ありました。ペルゼルはアリゾナ州ツーソンにて生涯を閉じました。彼の業績は、戦後の日本社会や文化の理解において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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