ジョン・マグルーダー

ジョン・バンクヘッド・マグルーダーの生涯

ジョン・バンクヘッド・マグルーダー（1807年5月1日 - 1871年2月19日）は、アメリカの軍人であり、3つの異なる国の軍隊に従事したことで知られています。彼は米墨戦争ではアメリカ陸軍の士官として、南北戦争では南軍の将軍として活躍し、最終的にはメキシコ帝国軍でも将軍を務めました。仲間からは「プリンス・ジョン」という愛称で親しまれていました。

軍人としての躍進

マグルーダーはバージニア州ポートロイヤルで生まれました。大学時代にはバージニア大学で学び、1830年に陸軍士官学校を卒業しました。その後、彼は第7アメリカ歩兵連隊の少尉として任官されましたが、すぐに第1アメリカ砲兵連隊に転属されました。フロリダ州では第二次セミノール戦争に参加し、メキシコ戦争ではウィンフィールド・スコット将軍の指揮のもとで戦いました。特にセルロ・ゴードでの戦いでは、勇敢な行動が評価されて名誉昇進を果たしています。

彼はまた、カリフォルニアやカンザス州での任務を経て、自身の芸術的な才能も発揮しました。背が高く目を引く容姿の持ち主であった彼は、歌を歌ったり、演技を行ったりしながら士官生活を楽しんでいました。

南北戦争の重要な場面

南北戦争が勃発すると、マグルーダーはワシントンD.C.の守備軍で砲兵隊に勤務していましたが、バージニア州が南部連合に加盟した際にアメリカ陸軍を退役し、南軍に参加しました。彼は准将から少将に昇進し、1862年には北軍のジョージ・マクレランの指揮する半島方面作戦において重要な役割を果たしました。

特に彼の名声を高めたのは、ヨークタウンでの包囲戦において、少数の部隊を複数回行進させることで北軍を欺き、実際の戦力を隠す巧妙な戦術でした。この戦術により、マクレランは攻撃を遅らせる結果となり、南軍の防衛力を保持することができました。さらに七日間の戦いにも参加し、彼の指揮する部隊は北軍の進軍を阻むために貢献しましたが、その後の戦闘においては結果を出せない場面も多く、酒癖の悪さが指摘されることもありました。

戦後の活動

戦争が終結した後、マグルーダーはメキシコに移住し、メキシコ帝国軍の将軍としてマクシミリアン1世に仕えました。しかし、1867年には皇帝が処刑され、彼はアメリカに帰国し、テキサス州ヒューストンで生活しました。1871年に亡くなり、その埋葬地はガルベストンのエピスコパル墓地にあります。

マグルーダーに因む地名

マグルーダーの名は多くの地名に残され、バージニア州にはマグルーダー砦やマグルーダー大通り、またゲームのキャラクターにもその名が冠されています。特にマグルーダー砦は、ウィリアムズバーグの戦い時に南軍の要塞として重要な役割を果たしました。

マグルーダーの訓練や戦術は、今なお歴史的な評価を受けており、その活動の痕跡はアメリカの地名や文化の中で生き続けています。彼の人生は、アメリカの軍事史における興味深い一ページといえるでしょう。

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