ジョヴァンニ・バッティスタ・ピアッツェッタ

ジョヴァンニ・バッティスタ・ピアッツェッタ

ジョヴァンニ・バッティスタ・ピアッツェッタ（Giovanni Battista Piazzetta）は、1683年2月13日に生まれ、1754年4月29日に亡くなったイタリアの画家です。彼はヴェネツィアで生まれ育ち、主にバロック後期からロココ初期にかけて活躍したヴェネツィア派の代表的な作家として知られています。時にはジャンバッティスタ・ピアッツェッタとも称され、ピアツェッタという表記も広く用いられています。

初期の経歴

彼は、暗い色調と明暗の対比を重視する「闇派」の巨匠アントーニオ・モリナーリに師事しました。モリナーリから学んだ技巧は、彼の作品において深い感情やドラマを表現する基盤となりました。その後、ボローニャに移り、ジュゼッペ・マリア・クレスピなどの影響を受けながらさらに技術を磨きます。1710年頃に再びヴェネツィアに戻ると、彼は生涯にわたってこの地で創作を続けました。

芸術スタイル

ピアッツェッタは、彼の生涯を通じて明暗表現を効果的に駆使し、劇的で動的な画風を確立しました。このスタイルは、一時的に停滞していたヴェネツィア派の復興に寄与したとされています。彼の技巧は特に、軽やかで優雅な筆致や、洗練された色彩感覚に見ることができます。このようなスタイルは、ロココ芸術の先駆けとしても高く評価される要素となりました。

代表作品

ピアッツェッタの作品は、宗教画に特に知られています。「聖ドミニクスの栄光」や「聖フランチェスコの法悦」などの作品は、彼の優れた宗教画家としての側面を強調しています。

また、彼は「女占師」などの風俗画でも独特の詩情を表現しており、彼の作品は多彩なジャンルに及びます。

代表的な作品には、以下のものがあります。

• - 『聖ヤコブの殉教』（1717年、ヴェネツィア、サン・スタエ聖堂）
• - 『聖フィリッポ・ネーリに顕現する聖母マリア』（1725-27年、ヴェネツィア、サンタ・マーリア・デッラ・ファーヴァ聖堂）
• - 『聖ドミニクスの栄光』（1725-27年、ヴェネツィア、サン・ザニポーロ聖堂）
• - 『聖フランチェスコの法悦』（1732年、ヴィチェンツァ市立博物館）
• - 『聖母の被昇天』（1735年、パリ、ルーブル美術館）
• - 『女占師』（1740年、ヴェネツィア、アッカーデミア美術館）
• - 『田園詩』（1739-41年、ケルン、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館）

影響と評価

彼の晩年には、1750年にヴェネツィアに新設された絵画アカデミーの院長に任命され、教育者としての役割も担いました。ピアッツェッタの影響は後の画家たちに及び、初期のティエポロもその一人です。ティエポロはピアッツェッタの技法やテーマからインスピレーションを受けたとされています。

ピアッツェッタの作品は、バロックからロココにかけての移行を象徴し、彼の明暗を駆使した独特のスタイルは、今もなお多くの人々に親しまれています。

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