ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年

『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』は、阪本順治監督が日本のボクサー、辰吉丈一郎に20年間密着したドキュメンタリー映画です。阪本監督は、赤井英和の自伝をモデルにした『どついたるねん』で知られ、本作では1995年から辰吉選手を長期にわたり取材しました。

1995年当時、辰吉選手は網膜剥離の手術を受け、日本ボクシングコミッションの規定により、国内でのプロボクシングの試合が困難な状況でした。そのため、彼はアメリカ・ラスベガスを拠点に活動していました。阪本監督は、この時期に辰吉選手の記録映画『BOXER JOE』を制作しています。

『ジョーのあした』は、『BOXER JOE』をきっかけに、阪本監督が辰吉選手が現役を引退するまでの過程を見届けたいという思いから始まりました。監督は定期的に辰吉選手に密着し、20年間にわたる取材記録を集大成として本作を完成させました。

映画は、辰吉選手のボクサーとしての苦悩や葛藤、家族との絆、そしてリングにかける情熱を深く掘り下げています。試合の映像だけでなく、普段の生活やトレーニング風景も映し出され、辰吉選手の人間性に迫ります。また、息子の寿以輝選手も出演しており、親子の関係性も描かれています。

本作は、2015年10月に開催された第28回東京国際映画祭のパノラマ部門に出品され、上映に先駆けて公開されました。ナレーションは俳優の豊川悦司が担当し、映画に深みを与えています。

スタッフは以下の通りです。

監督: 阪本順治
エグゼクティブプロデューサー: 宮川朋之
プロデューサー: 椎井友紀子
プロデュース: 関本広文、澤尚志、中野雄高
撮影: 笠松則通
録音: 志満順一
編集: 早野亮
製作: 日本映画投資合同会社
配給: マジックアワー
特別協力: 日本映画専門チャンネル
特別協賛: ジュピターテレコム（J：COM）
写真提供: ベースボール・マガジン社

『ジョーのあした』は、一人のボクサーの人生を通して、夢を追いかけることの難しさ、家族の支え、そして人間としての強さを描いた感動的な作品です。辰吉丈一郎という稀代のボクサーの魅力を余すところなく伝えています。

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