ジョージア・ガイドストーン

ジョージア・ガイドストーン

ジョージア・ガイドストーン（Georgia Guidestones）は1980年にアメリカのジョージア州エルバート郡に建設された花崗岩製のモニュメントです。このモニュメントは、主に「10のガイドライン」というメッセージが8つの言語で刻まれていることで知られ、その内容から多くの神秘主義やオカルト的な論議を呼び起こしました。

モニュメントの設置は、1979年の6月、R.C.クリスチャンを名乗る人物が建材会社に依頼し、エルバート郡が土地を購入する形で行われました。この名称は偽名であり、実際の出資者は不明です。1980年3月22日、公開イベントが行われ、数百人の観衆が見守る中でモニュメントが披露されました。これ以降、ガイドストーンは地元の観光名所となった反面、批判の対象ともなっていきました。

モニュメントの構造

ジョージア・ガイドストーンは、エルバート郡の高い地点に位置し、周囲の自然空間と共鳴する形で建てられています。その高さは5.87メートルで、合計6枚の花崗岩の石板から成り立っています。石板の総重量は約10万7840キログラムに達し、一部では「アメリカのストーンヘンジ」とも呼ばれています。

モニュメントは1枚の中央石板に4枚の周辺石板が取り囲む形で配置されており、上部にはキャップストーンが置かれています。この配置には天文学的な意味があるとされており、4つの石板のそれぞれには10のガイドラインが刻まれています。

ガイドラインの内容

ジョージア・ガイドストーンに記された「10のガイドライン」は、以下のような内容です。

1. 人類は自然との調和を維持し、500万人以下で存続する。
2. 健康と多様性を高め、繁殖を賢く導く。
3. 現代的な新しい言語で人類を団結させる。
4. 情熱、信仰、伝統を理性的にコントロールする。
5. 公正な法律と正義で人と国を守る。
6. 外部問題は世界裁判所で解決すべきとする法規を設ける。
7. 無駄な法律や官僚を排除する。
8. 社会的義務と個人の権利のバランスを取る。
9. 真実、美、愛を求め、無限の調和を重んじる。
10. 地球に癌とならず、自然のためのスペースを残す。

これらのガイドラインは、現代社会に芸術的かつ哲学的なメッセージを投げかけており、特にWorld Orderに関連した意見と批判が寄せられました。

歴史的な事件

2022年7月6日、ガイドストーンは何者かによって爆破され、1つの柱が倒壊しました。それを受け、当局は残る柱も安全上の理由から即座に解体しました。この事件は、モニュメントの長い歴史の中で非常に大きな出来事となり、様々な憶測を呼び起こしました。典型的な陰謀論の対象ともなり、R.C.クリスチャンの実体やガイドラインの意図についての議論が繰り広げられました。

多くの人がこのモニュメントを冷戦時代に生き残った文明を再構築するための示唆を含んだものと見なしており、ガイドラインは「文明再建のための設計図」として解釈されています。ガイドストーンの影響とそのメッセージは、今も多くの人々に強い関心を持たれ続けています。

結論

ジョージア・ガイドストーンは、シンプルな花崗岩の塊でありながら、その奥に難解なメッセージと社会的な問いを秘めた象徴的なモニュメントです。爆破事件以降も、このモニュメントに刻まれた内容やその歴史は、人々の興味を引き続けています。

もう一度検索