ジョージア沿岸警備隊

ジョージア沿岸警備隊の概要

ジョージア沿岸警備隊は、ジョージアの内務省が管轄する海事組織であり、国境警察に属しています。主要な任務には、領海の管理、海洋汚染の防止、海事法の執行、港湾の保安、海上での防衛活動が含まれます。また、ジョージアの海岸線は約310キロメートルあり、その全域の保護を担っています。沿岸警備隊の本部は黒海沿岸の都市ポティにあり、もう一つの大きな基地はバトゥミに位置しています。さらに、ポティには対テロ専門の特殊部隊も存在し、海上監視レーダー基地が複数箇所に設置されています。

歴史

前史

ジョージアは黒海沿岸に位置し、長い間海上交易に関わってきた国ですが、歴史的に大規模な海軍を保有したことはありませんでした。他国との航海に必要な艦隊の建設は1918年のグルジア民主共和国の成立から始まります。しかし、1921年には赤軍の侵攻によって国家が崩壊し、その後はソビエト連邦の一部として統治されました。この期間中、ジョージアの沿岸水域はソビエト連邦の黒海艦隊によって管理され、ポティに拠点を置く第184沿岸警備旅団が活動していました。このように国境管理が続いたものの、ソビエト連邦崩壊後、1992年にはその旅団が撤退し、海の安全保障における空白が生じました。

沿岸警備隊の創設と発展

現在のジョージア沿岸警備隊は1998年に設立されました。この年に制定されたジョージア国境法に基づき、国境防衛局の下に設置され、初めて海上巡回警備活動が開始されました。この際、出発点として運用された船舶はウクライナやトルコからの寄付品でした。これを記念して、毎年7月16日は「ジョージア沿岸警備の日」として祝われています。

沿岸警備隊の発展には米国沿岸警備隊の支援が重要な役割を果たしました。1998年にアメリカの訓練チームがジョージアに派遣され、沿岸警備隊の教育やインフラ整備に取り組みました。また、2000年代には新型艦艇の導入も進み、国境警備に必要な能力を強化しました。

2002年には米国のモデルを基にした改革がスタートし、沿岸警備隊の専門性と効率性を高めることを目的としました。この改革により、海事に特化した組織構造が整備され、2003年には沿岸警備隊の本部が設立されました。以降、ダヴィト・グルア少将が初代本部長に就任し、組織の体制が強化されました。さらに、2005年にはジョージア国境防衛局自体が法執行機関となり、ジョージア内務省の一部門としての位置付けが確立されました。

海軍の編入

ジョージア海軍は南オセチア紛争において壊滅的な損害を受け、2009年に残存勢力が沿岸警備隊に編入されました。このことにより、沿岸警備隊は国防の一翼を担う重要な組織としての役割をさらに強化しました。

結論

ジョージア沿岸警備隊は、国家の海上安全保障や領海の管理を担う重要な機関として成長してきました。歴史的な背景や国内外の支援を受けながら、その組織的な基盤を固めており、今後もその役割は重要性を増していくでしょう。

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