ジョージア軍

ジョージア軍の概要

ジョージア軍（ジョージアぐん）は、南コーカサスに位置するジョージア共和国が所有する軍隊であり、その主要な構成はジョージア陸軍、特殊作戦軍、そしてジョージア国家警備隊の3つである。ジョージア軍の歴史は、ソ連崩壊から独立を果たした後の動乱の時代を強く反映している。かつては海軍や空軍も存在していたが、現在は沿岸警備隊や陸軍の一部として統合され、独立した軍組織としては存在しない。

歴史的背景

ジョージアは1990年代初頭、ソ連時代の体制から脱却しようとする動きを見せた。特に、鈴田・ガムサフルディア政権下で駐留ソ連軍との緊張が高まる中、1990年12月にはソ連に対抗する武装組織としてジョージア国家警備隊が設立される。この国家警備隊は多くの志願兵によって構成され、初めは旧ソ連製の武器を装備していた。これにより、グルジアは自国の軍事力を徐々に強化していったが、国内では政治的・経済的混乱が続き、特にアブハジアや南オセチアでの民族紛争の影響が深刻だった。

内戦の影響によって、グルジアの軍事力は大幅に減少したが、1994年に国家警備隊は国防省に統合され、陸軍、海軍、空軍のリストラと再編成が進められる。イラク戦争では、治安維持のために約2000名の軍人を派遣し、南オセチア紛争でのロシアとの対立にも直面する。この紛争においては、海軍が事実上壊滅状態となり、2010年には空軍も陸軍に編入されている。

現代のジョージア軍

2022年現在、ジョージアはNATO加盟には至っていないが、2015年からはアフガニスタンでのNATOのミッションに参加し、ジョージアの治安部隊に対する訓練や支援を行ってきた。その結果、2021年には860名の軍人が現地に駐留していた。ジョージア軍の構成は、国防省を中心に複数の司令部や特殊作戦部隊、そして憲兵局などの機関で成り立っており、効率的な防衛体制を築くための取り組みが進められている。

外交と軍事援助

ジョージアはその地理的位置から西側諸国に軍事支援を求めており、特にアメリカからの援助が増加している。2000年代に入ってからは、アメリカ製の武器への転換や合同軍事演習が行われ、軍の改革が進められている。例えば、ジョージアの陸軍兵士が使用していたロシア製のAKシリーズは、アメリカ製のM4カービンに置き換えられることになり、その際には当時のサーカシビリ大統領が兵士一人ひとりにM4を手渡す式典も行われた。

軍事評論家の見解によると、軍拡の試みには予算面で無理があるとの指摘もあり、今後のジョージア軍の発展には戦略的かつ経済的な調整が求められると言える。ジョージア軍は今後も西側諸国との協力を深めつつ、自国の防衛力を高めていくことが重要な課題となるであろう。

もう一度検索