南コーカサス

南コーカサス

南コーカサス、またはザカフカジエは、アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージアの3つの国を総称する地域です。この地域は地理的にはロシア、トルコ、イランに囲まれ、黒海とカスピ海にも接しています。南コーカサスは、ヨーロッパ地域には属さず、主にアジアに位置していますが、歴史的にソビエト連邦の一部であったため、西アジアや中東に含まれることは少ないです。

地理と地形

南コーカサスの地形は主に山岳地帯で構成されています。特に南部には小カフカス山脈が存在し、そのほかにもジョージア西部にあるコルヒダ低地や、アゼルバイジャン中東部のクラアラクス低地といった低地も存在します。この地域は標高が高く、自然環境が豊かで、独特の生態系を形成しています。

民族構成

南コーカサスには、アゼルバイジャン人、アルメニア人、ジョージア人（カルトヴェリ人）という主要民族が住んでいます。そのほかにも、ソ連時代の移民の子孫であるロシア人をはじめ、アブハジア人、アジャール人、オセット人、ギリシア人、クルド人、レズギ人、タリシュ人といった少数[[民族]]が存在し、多様な文化的背景を持っています。

特にジョージアには、アブハジアや南オセチアといった民族自治区があり、これらの地域では独立運動が活発に行われています。一方で、アゼルバイジャンとアルメニアの居住地域は複雑に重なり合い、民族紛争の原因となっています。特にナゴルノ・カラバフ地域は、アルメニアの支援を受けた独立運動によって、2023年時点で事実上の独立国のような状態にあったこともあります。

文化と宗教

南コーカサスの各国は山に隔てられているため、文化に顕著な違いがあります。アゼルバイジャンではトルコ語系のアゼルバイジャン語が話され、アルメニアではインド・[[ヨーロッパ語族]]に属するアルメニア語が使われています。ジョージアでは独特の南コーカサス語族に属するグルジア語が公用語です。また、旧ソ連の影響からロシア語も広く通じます。

宗教に関しては、アゼルバイジャンの主流宗教はシーア派のイスラム教で、アルメニアではアルメニア使徒教会というキリスト教の一派が信仰されています。ジョージアではグルジア正教会が中心となっています。これらの宗教的な違いも文化の多様性を構成する要因となっています。

歴史

南コーカサスの歴史は複雑で、19世紀までにロシア帝国の領土となりました。1917年にロシア革命が起きると、1918年にはザカフカース民主連邦共和国が一時的に成立したものの、すぐに崩壊し、その後アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージアが独立します。1920年には赤軍が侵攻し、1922年にはザカフカース社会主義連邦ソビエト共和国としてソ連に組み込まれました。1936年にはそれぞれがアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国、アルメニア・ソビエト社会主義共和国、グルジア・ソビエト社会主義共和国として分割されました。

そして1991年にソビエト連邦が崩壊すると、アゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国、グルジア（ジョージア）が再び独立を果たしました。

このように、南コーカサスは多様な民族と文化、独自の地理的背景を持つ地域であり、歴史的な変遷がまたその特性を形成しています。

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