ジョージ・レーゼンビー

ジョージ・レーゼンビーについて

ジョージ・レーゼンビー（George Lazenby）は、1939年にオーストラリアのニューサウスウェールズ州クイーン・ベイヤンで生まれた俳優です。彼は主に1969年の映画『女王陛下の007』で2代目ジェームズ・ボンドを演じたことで広く知られていますが、歴代のボンド役者の中で唯一、ヨーロッパ出身ではない俳優でもあります。

生い立ちとキャリアの始まり

レーゼンビーは、高校を卒業後、キャンベラにあるモリス・モーター社で車のセールスマンとして働きました。また、スキー指導員や地元バンドのベーシストとしても活動していました。その後、オーストラリア軍に入隊し、軍曹として格闘技のインストラクターを務めました。1964年にはロンドンに移住し、中古車のセールスマンとして働いていたものの、ファッションモデルとしてのキャリアが続きました。彼の美しい容姿はすぐに雑誌の表紙を飾ることになります。

2代目ジェームズ・ボンド

レーゼンビーが007シリーズに出演することになったのは、初代のショーン・コネリーが降板した後のことです。彼は数百人の候補者の中からスクリーンテストに合格し、『女王陛下の007』でボンド役に挑みました。監督のピーター・ハントは、彼のアクション能力を評価し、恐れずに新しい風を吹き込む俳優として選びました。古き良きボンド像を背負っての演技は、当時のファンには新鮮に映ったことでしょう。

撮影中、レーゼンビーは次作での降板を申し入れますが、これに対して多くの人がその選択に疑問を呈しました。「続けていれば、さらに多くの映画に出られたかもしれない」と彼自身が後に語るように、それが彼のキャリアに影響を与えることになります。作品自体は後の世代に再評価され、レーゼンビーは独自の存在感を増していきました。

ボンド役引退後の活動

映画『女王陛下の007』の後、レーゼンビーはカンフー映画『死亡遊戯で』ブルース・リーと共演する話を持ちかけられました。しかし、リーの急死により、彼の出演は流れ、代わりに香港で製作されたいくつかの映画に出演することになります。特に『暗黒街のドラゴン 電撃ストーナー』や『スカイ・ハイ』では、アクションシーンでその実力を発揮し、興行的にも成功を収めました。

その後、彼はアメリカに移住し、レーサーとして活動する一方で、ボンドに関連するパロディ的な役柄にも登場しました。1983年には、007シリーズに似たキャラクターを演じ、当時のボンド役者たちとの競演も話題になりました。

現在と私生活

レーゼンビーは俳優業に加えて実業家としても活動し、不動産投資などを行っています。ハワイやカリフォルニア、香港に多くの物件を所有し、自身のプライベートを楽しむ生活を送っています。ロジャー・ムーアとは頻繁に連絡を取り合い、業界での動向に関心を持ちながら、時にはボンド役のオファーがあれば応じることもあるようです。

レーゼンビーは、今後も映画ファンにとって重要な存在であり続けるでしょう。彼の多彩なキャリアや独特な魅力は、ファンの記憶に刻まれています。最近では、旧作の特典映像などにも登場し、昔のファンに向けてその存在感を示しています。

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