ジョージ・ワシントン (空母)

ジョージ・ワシントン (CVN-73)

ジョージ・ワシントン (USS George Washington, CVN-73) は、アメリカ海軍に所属する航空母艦で、ニミッツ級航空母艦の6番艦です。その名は初代アメリカ合衆国大統領のジョージ・ワシントンに由来しており、日本に配備された最初の原子力推進空母としても知られています。2015年、後任のロナルド・レーガンに任務を譲り、帰国しました。

艦歴

1986年8月25日にニューポート・ニューズ造船所で建造が始まり、1990年7月21日に当時のファーストレディであるナンシー・レーガンとバーバラ・ブッシュによって命名・進水され、1992年7月4日に就役しました。就役当初の母港はバージニア州のノーフォークでした。

ジョージ・ワシントンはその後、6回にわたる地中海およびペルシャ湾への配備を経て、多様な任務に従事しました。最初の配備となった1994年には、ノルマンディー上陸作戦50周年を記念するための活動に貢献。また、1996年にはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争において各勢力の指導者たちが集まる歴史的な会合を主催し、平和維持活動にも参加しました。

その後の1997年から1998年にはイラクにおける国連武器査察団の支援を行ない、2000年にはペルシャ湾での活動を通じてイラクへの規制を強化する作戦に関与しました。2004年にはイラク戦争終結後の海上での警戒活動や空爆任務を行い、修理後の帰国後には新型艦載機の発着艦テストを実施しました。

横須賀配備

2008年4月7日、ジョージ・ワシントンは第17空母航空団および第8空母打撃群と共にノーフォークを出港し、南米を巡って横須賀基地に向かいました。この巡航中、ブラジル海軍とアルゼンチン海軍との共同作戦に従事。4月22日には初のブラジル・リオデジャネイロを訪問しました。

また、2008年には艦尾で火災が発生するアクシデントも経験し、その影響で各種演習の日程に遅れが生じました。それでも、同艦は無事にハワイでの交代式を経て横須賀を母港と定め、多くの手続きを経て運用を開始しました。

ジョージ・ワシントンは2009年には大規模定期修理を行い、その後もさまざまな地域での任務に従事していきました。2011年の東日本大震災時には、事前に修理中だったため出港を早め、活動を行いました。2013年から2015年にかけては、フィリピンでの台風被害に対する救援活動や、アメリカ国内での訓練・演習にも参加しました。

2015年以降

2015年5月、ジョージ・ワシントンは日本での任務を終え、アメリカ本土に帰還。その後、さまざまな活動に参加し、特にハリケーン被害後の災害派遣などを行いました。2022年には艦内での自殺者が相次いだため、海軍による調査が行われ、心療医やカウンセラーが派遣されるなどの対応がとられました。

そして、2023年4月には次世代の原子力空母であるロナルド・レーガンと交代するプランが発表され、2024年には日本への再配備の予定です。ジョージ・ワシントンは、近年も多くの国際的な任務に深く関与しており、その役割は今後も重要です。

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