ジョー・ギブス

ジョー・ギブス：レゲエ音楽界の重要プロデューサーの生涯

ジョー・ギブス（Joe Gibbs、1942年10月14日 - 2008年2月22日、本名ジョエル・A・ギブソン）は、ジャマイカのモンテゴ・ベイで生まれ、レゲエ音楽のプロデューサーとして名を馳せました。彼の音楽キャリアは、電気技師としての経験を経て、キングストンでのテレビ修理店経営から始まりました。

音楽ビジネスへの進出

レコード販売から音楽ビジネスに関わるようになったギブスは、1967年に自身の店の裏で2トラックの録音を開始。コクソン・ドッドと袂を分かったリー・ペリーと共に、様々なアーティストの録音を手がけました。1968年には、バニー・リーの協力を得てアマルガメイテッド・レーベルを立ち上げ、ロックステディの時代に数々のヒット曲をリリースしました。

レゲエへの転換と成功

1970年代に入ると、ギブスは完全にレゲエへとシフトし、ニッキー・トーマスの「ラヴ・オブ・コモン・ピープル」がUKチャートで9位を獲得する成功を収めます。その後、エチオピアンズ、デルロイ・ウィルソン、ヘプトーンズといった著名なアーティストのプロデュースを手がけ、その名をレゲエ音楽界に確立しました。

エロル・トンプソンとの黄金コンビ

1972年、ギブスはスタジオを移転し、エンジニアのエロル・トンプソンとの協働を開始します。この二人のコンビは、レゲエ音楽史において最も重要な組み合わせの一つとして知られています。プロフェッショナルズというハウスバンド（ロビー・シェイクスピア、スライ・ダンバー、アール・チナ・スミス）を擁し、デニス・ブラウンやビッグ・ユースといった大物シンガーのヒットシングルを次々と生み出しました。

国際的な成功と挫折

1975年、ギブスは16トラックのスタジオとレコードプレス工場を所有するようになり、国際的なヒットを多数輩出しました。しかし、1980年代にJ・C・ロッジの「サムワン・ラブズ・ユー・ハニー」がヒットしたものの、作曲家のチャーリー・プライドへの支払い問題で訴訟を起こされ、敗訴。多額の賠償金を支払うことができず、倒産という苦境に立たされました。

音楽シーンへの再起

1993年、ギブスは再びジャマイカの音楽シーンに復帰し、エロル・トンプソンとの再タッグで新たなヒット曲を生み出すことを目指しました。ジョー・ギブスの音楽に対する情熱と、レゲエ音楽界への貢献は、今日でも高く評価されています。

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