ジワカ州

ジワカ州

州の概要

パプアニューギニア西部の山岳地方の中央部に位置するジワカ州（英語: Jiwaka Province）は、比較的新しい州として知られています。2012年5月17日に正式に設置される以前は、西隣に位置する西部山岳州の一部でした。州の行政の中心地である州都はクルムルに置かれています。ジワカ州の総面積は4798平方キロメートルです。

名称の由来と背景

「ジワカ」という州名は、その領域に含まれる主要な三つの地域の頭文字を組み合わせた造語（かばん語）です。具体的には、ジミ（Jimi）、ワギ（Waghi）、カンビア（Kambia）の各地域の頭文字を取って命名されました。しかし、この命名に際しては、州の重要な地域の一つであるアングリンプ（Anglimp）が含まれていないことについて議論が生じました。州設立の根拠法案においては、この点に関して、2012年の総選挙後に見直しを行う予定であるとされていました。

地理と自然資源

ジワカ州は山岳地方に属しており、多様な地形が特徴です。特に、州内を流れるワギ川沿いに広がるワギ谷は、その肥沃な土壌で知られています。この豊かな土地は、農業、特に主要な換金作物である珈琲や茶の栽培に非常に適しています。また、パプアニューギニア国内で最も標高が高いウィルヘルム山（Mount Wilhelm, 4509メートル）は、ジワカ州と隣接するシンブ州の州境付近に位置しており、州の自然景観の重要な一部を構成しています。

人口動態

ジワカ州の人口は近年増加傾向にあります。公式なデータによると、2000年7月9日時点での人口は18万5798人でした。その後、約11年を経た2011年7月10日の国勢調査では、人口は34万3987人に達しました。この2011年のデータに基づけば、ジワカ州の人口密度は1平方キロメートルあたり約71.7人となります。この急速な人口増加は、州の経済活動の活発化や都市部への集中など、複数の要因によるものと考えられます。

経済基盤

州の経済は主に農業に依存しています。特に、肥沃なワギ谷で栽培される珈琲と茶は、ジワカ州の主要な特産品であり、国内外への出荷を通じて州の経済を支えています。これらの作物の生産は、地域住民の雇用創出や収入源として非常に重要です。

行政区分

ジワカ州は、行政運営上の目的から以下の三つの地区に分けられています。これらの地区は、州全体のガバナンスを効率的に行うための基礎単位となっています。

アングリンプ・南ワギ地区
北ワギ地区
* ジミ地区

これらの地区区分は、州内の地理的な広がりや人口分布を考慮して定められています。

隣接州

ジワカ州は、複数の州と境界を接しています。具体的には、北にはマダン州、東にはシンブ州が位置しています。南側は南部山岳州と接しており、西側はかつて所属していた西部山岳州との境界を形成しています。これらの隣接州との関係は、交通網の発達や地域間の交流に影響を与えています。

まとめ

2012年に設立されたジワカ州は、パプアニューギニアの山岳地方における若い州です。豊かなワギ谷の農業を基盤とし、珈琲や茶の生産が盛んです。国内最高峰ウィルヘルム山に近く、その名称は州内の主要地域の頭文字に由来します。人口は約34万人で、州都はクルムルです。その地理、歴史、経済、文化など、様々な側面からパプアニューギニアの一部として独自の地位を築いています。

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