ジンクホワイト (漫画)

ジンクホワイト (Blanc de Zinc)

『ジンクホワイト』は、小泉真理が手掛けた日本の4コマ漫画作品で、2001年から2003年にかけて少年画報社の『ヤングキングアワーズ』に連載されました。本作では、画塾に通う高校2年生の少女・真木みすずを主人公として、美術大学受験を目指す若者の成長や日常が描かれています。後に全3巻の単行本が発売され、その後、文庫版も出ています。

概要

物語の主人公、真木は美術系進学予備校で努力しながら、仲間たちと共に受験に挑む日々を送ります。作者である小泉が自身の美術大学受験の経験を基にしているので、リアルな描写が特徴です。本作では、芸術大学を「G（ゲー）大」と呼ぶなど、作者ならではのユーモアもちらりと覗かせます。キャラクター同士のやりとりはコミカルでありながらも、真木の成長を丁寧に描写しています。

小泉真理は、本作とそのスピンオフである『夢の涯てまでも』では、本名の「小泉真理」を使用していますが、他の作品ではペンネームを採用しており、その理由も少し独特です。『アワーズ』と『GX』という異なる青年誌で連載していたため、別名義での発表を決めたとのことですが、作風には一貫性がありました。

物語の展開

この作品の主なテーマは、美術大学受験のリアリティを伝えることであり、主な要素は恋愛だけにとどまりません。真木と彼女の仲間たちの友情やライバルとの競争、彼らの成長がストーリーを豊かにしています。特に、「マキ」というキャラクターは勉強だけでなく、生活全般での苦労と努力を通じて人間的に成長していく姿が魅力的です。

また、作中のキャラクターたちは、各々が個性豊かで、真木の成長には欠かせない存在となっています。和田くん、横曽根先生、酒井さんらのサブキャラクターたちもそれぞれの特徴がしっかり描かれ、本作に彩りを添えています。

この漫画は、2002年のワンダーフェスティバルというイベントで、真木のキャラクターを模したガレージキットが販売されたこともあり、ファンからの人気も集めていました。

書誌情報

『ジンクホワイト』は全3巻で単行本が絶版となっているものの、文庫版が現在も入手可能です。各巻には異なるISBNが付与されています:

• - 1巻: ISBN 4-7859-2067-X (2001年)
• - 2巻: ISBN 4-7859-2183-8 (2002年)
• - 3巻: ISBN 4-7859-2304-0 (2003年)

また、スピンオフ作品『夢の涯てまでも』は、2007年の『FEEL YOUNG』誌に掲載され、本作のキャラクターが再登場します。この作品も、文庫版に合わせて発表されたもので、ファンにとっては嬉しいサプライズといえるでしょう。

まとめ

『ジンクホワイト』は、芸術家や夢を追い求める全ての人に共感を呼び起こす物語です。美術大学受験をテーマにしながらも、友情や恋愛、努力が交差する心温まるストーリーは、多くの読者に愛され続けています。

もう一度検索