ジンジャ (ウガンダ)

ジンジャ：ナイルの源流に抱かれたウガンダの都市

ジンジャは、ウガンダ共和国の南東部に位置する都市です。1907年、イギリス領ウガンダ時代にブソガ地方の南西部に建設されました。ヴィクトリア湖から白ナイル川が流れ出す地点の東岸に位置し、「ナイル川源流」点やナイル川源流庭園、スピーク記念碑などが西側にあります。首都カンパラからは東北東へ約87km、ブシアやトロロといった都市のほぼ中間に位置しています。

歴史

1862年7月28日、探検家のジョン・ハニング・スピークがリポン滝と名付けた場所は、現地住民であるガンダ族が「エジンジャ（Ejjinja）」、ソガ族が「ディンダ（Dinda）」と呼ぶ岩場でした。1894年にイギリスがウガンダを保護領化する際、ガンダ族にブソガを征服させ、新たに建設する町をこの岩場の名前にちなんでジンジャと名付けました。

ジンジャの重要性は、キスムがウガンダ鉄道と結ばれたことで高まりました。ブソガには綿花や砂糖の農園が開かれ、1906年には道路計画が立てられました。1910年頃には、インド商人が大挙してジンジャに進出。彼らの多くはゴア州出身で、英語を話すカトリック教徒でした。ジンジャとキスム、そしてカンパラ南郊のポートベルは、フェリーで結ばれていました。

1923年にはウガンダ鉄道がジンジャまで延伸され、1928年にはブリティッシュ・アメリカン・タバコが進出し、タバコ通りも整備されました。1931年には、リポン滝とオウェン滝の間に鉄道と道路が通る二階建ての鉄橋が開通し、ウガンダ鉄道はカンパラまで延伸されました。当時、ウガンダの貿易相手国として日本が台頭し、日本の紡績・繊維業者がジンジャにも進出していました。

しかし、リポン滝を形成していた自然の岩堰は、1954年に完成したナルバーレ発電所の建設のために爆破され、水底に沈められてしまいました。同じ頃、イギリスのマンチェスターに拠点を置くキャリコプリンターズもジンジャに進出し、ウガンダ開発会社と合弁で「ニティル」ブランドの製品をウガンダやケニアで販売。1973年には従業員数が3,00人に達しました。ニティルの製品は、銀貨のデザインでよく知られています。

ジンジャに進出していたインド人や日本企業は、イディ・アミン政権下の1972年に追放されました。当時、アミンによって処刑され、ヴィクトリア湖に遺棄された遺体がナルバーレダムに流れ着いたという話も残っています。

経済

ジンジャの周辺は農業地帯であり、製紙、皮革、製粉、ビール醸造などの産業が発展しています。2005年まではブリティッシュ・アメリカン・タバコの工場も営業していました。

ジンジャは、豊かな自然と多様な歴史が織りなす魅力的な都市です。ナイル川の源流を訪れ、その雄大な流れを感じてみてはいかがでしょうか。

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