ジンバブエの首相

ジンバブエの首相

ジンバブエの首相は、かつてジンバブエ共和国に存在した役職であり、政府の長として重要な役割を担っていました。

概要

1980年のジンバブエ独立時、大統領職とともに首相職が設けられ、ロバート・ムガベが初代首相に就任しました。しかし、1987年にムガベが大統領に就任すると同時に、首相職は廃止されました。これは、大統領に権力を集中させるための措置でした。

2008年の大統領選挙は、現職のムガベと野党・民主変革運動・ツァンギライ派(MDCT)のモーガン・ツァンギライ議長による決選投票となりました。しかし、野党側は選挙の公正さが保証されないとしてボイコットを表明。結果としてムガベが再選を宣言し、就任宣誓を行いました。この選挙結果を認めない野党との間で政治的混乱が深刻化し、南部アフリカ開発共同体(SADC)が仲介に乗り出す事態となりました。

SADCの仲介により、2009年1月、ムガベを大統領、ツァンギライを首相とする連立政権を樹立することで合意。これにより、2月11日にツァンギライが首相に就任し、首相職は1987年12月以来、約21年ぶりに復活しました。これは、政治的対立を解消し、国家の安定を図るための苦肉の策でした。

しかし、連立政権下でもムガベの強権的な姿勢は変わらず、2009年10月にはツァンギライが連立の一時停止を宣言するなど、政権運営は困難を極めました。それでも連立政権は維持されましたが、2013年の大統領選挙で再びムガベが勝利し、ツァンギライが落選。ツァンギライは選挙結果の無効を求めて憲法裁判所に提訴しましたが、9月に首相を退任し、後任は置かれず、首相のポストは再び廃止されることとなりました。

ジンバブエの首相職は、独立後の政治的混乱と権力闘争の歴史を象徴する役職と言えるでしょう。その短い存続期間の中で、ジンバブエの政治に大きな影響を与えました。

歴代首相一覧

ロバート・ムガベ (1980年 - 1987年)
モーガン・ツァンギライ (2009年 - 2013年)

出典

rulers.org - Zimbabwe
worldstatesmen.org - Zimbabwe

関連項目

* ジンバブエの大統領 (仮のURL)

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