ジンバブエ

ジンバブエ共和国

ジンバブエ共和国（英：Republic of Zimbabwe）、一般にはジンバブエと呼ばれるこの国は、南部アフリカに位置する共和制国家です。首都はハラレで、モザンビーク、ザンビア、ボツワナ、南アフリカと接しています。地図上ではナミビアにも近いですが、実際には二つの国の間にザンビアとボツワナが挟まれ、150メートルほど離れています。2003年までイギリス連邦の一員でもありました。

国名の由来

ジンバブエの国名は、ショナ語の「石の館」を意味し、国内にはグレート・ジンバブエ遺跡が存在します。この時代には南ローデシアと呼ばれました。

歴史

植民地化前

12世紀ごろに成立したマプングヴエ王国や、13世紀から14世紀に栄えたグレート・ジンバブエといった王国がありました。これらの王国は大規模な交易を行い、15世紀には放棄され、新たにモノモタパ王国やカミ王国が興りました。

植民地時代

19世紀後半からイギリス南アフリカ会社に統治され、その後イギリスの植民地として扱われることになります。植民地時代には白人農場主の支配が強化され、現地の住民たちは先祖の墓参りすらできませんでした。

独立と内戦

1965年に植民地政府の首相イアン・スミスが白人中心のローデシア共和国の独立を宣言すると、黒人による独立運動が始まります。1979年には黒人に参政権が付与されますが、国際的な承認を得ることはできず、内戦状態が続きました。

1980年に正式にジンバブエ共和国が成立し、ロバート・ムガベが首相に就任します。1987年からは大統領が国のトップとして権限を持つようになります。しかし、彼の長期的な権力保持は国内外で問題視され続けました。

経済の発展と課題

ジンバブエは、石炭や金などの鉱物資源が豊富ですが、1990年代末からの経済危機やハイパーインフレによって経済は崩壊状態に陥りました。特に、白人大農場の強制収用から農業生産が激減し、食糧不足やインフレが深刻化しました。2009年にはアメリカドルなどの外貨が法定通貨として受け入れられるようになり、経済の再建が試みられました。

現在でも、ジンバブエは教育や保健の分野で課題を抱えつつも、観光資源としてのポテンシャルを秘めています。ビクトリア滝などが訪れる人々を魅了しており、ジンバブエの自然や文化を体感することができます。

文化的側面

ジンバブエは多民族国家であり、ショナ人、ンデベレ人が中心です。公用語として英語と共にショナ語や北ンデベレ語が使用されています。食文化では、トウモロコシの粉を用いた主食が一般的で、牛や豚、鶏肉が食べられています。また、音楽や文学も発展しており、特に音楽は歴史的に重要な役割を果たしてきました。

政治情勢

現代のジンバブエでは、政治的な対立や権力闘争が続いています。野党勢力への迫害や自由な報道が制限される中、国民の間には不満も高まっています。特にロバート・ムガベの辞任後の対立は続いており、国際的な支持を受けつつ穏健な改革が求められています。

おわりに

ジンバブエは、長い歴史を持つ国であり、独自の文化と自然が共存する場所です。今後も政治や経済の課題に挑戦しながら、持続可能な発展を目指していくことでしょう。

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