ジ・オーシャンレース

ジ・オーシャンレース

ジ・オーシャンレース（The Ocean Race）は、フルクルーによる大規模なヨットレースで、スペインのアリカンテがスタート地点となり、世界を一周するコースが設定されています。このレースは、旧称「ボルボ・オーシャンレース」として知られており、海上スポーツの中でも特に注目を集めています。

歴史

この大会は1973年に始まりました。アメリカスカップに対抗する形で、イギリスのビールメーカー・ウィットブレッドがスポンサーとなり、British Royal Naval Sailing Associationが企画した「ウィットブレッド世界一周ヨットレース」としてその歴史がスタートしました。アメリカスカップが「海のF1」と称されるのに対し、ジ・オーシャンレースは「海のダカール・ラリー」としてその独自の位置づけを持っています。

1993-1994年の大会では、小松一憲（ヤマハ）、原健（Tokio）、松永香（ハイネケン）といった3名の日本人セーラーがそれぞれのチームで活躍しました。2001-2002シーズンからはボルボグループが新たな冠スポンサーとなり、レース名が「ボルボ・オーシャンヨットレース」に改称されました。このレースは、日本でも2011-2012年の大会がNHK BS1とGAORAで放送され、多くのセーリングファンの注目を浴びました。

賞金と開催頻度

この大会では優勝者にはトロフィーが贈呈されるのみで、賞金はありませんが、副賞として公式計時のオメガシーマスターが贈られます。最初は4年に1度の開催だったこのレースは、2005-2006年の大会を最後に3年に1度に変更されました。

2017-2018年大会では、リオオリンピックの金メダリストであるピーター・バーリングやブレア・チューク、マルティーヌ・グラエルらが参加し、大いに話題を呼びました。2018年5月31日にはボルボグループとボルボ・カーズが大会からの撤退を発表し、その結果、レース名称が「ジ・オーシャンレース」に変更されました。2021年からはアトランティック・オーシャン・レーシング・スペインがレースを主催しています。

現在の規模とクラス分け

2023年の大会からは、参加艇が2つのクラスに分けられて競われることになりました。従来のボルボオーシャン65（VO65）に加えて、ヴァンデ・グローブで使用されているフォイル艇、IMOCA60も採用されることが決定しました。これにより、さらに多様な艇の競技が可能となり、レースの魅力が増しています。国際的な舞台で行われるこのヨットレースは、セーリングファンやスポーツ愛好者にとって注目すべきイベントと言えるでしょう。

自国の誇りをかけて挑むクルーたちの姿と、壮大な海の旅は、見逃せない魅力に満ちています。

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