ジ・オーブ

ジ・オーブ (The Orb)

ジ・オーブは、1988年に設立されたイギリスのテクノ・ミュージシャングループです。彼らの音楽は、特にアンビエント・ハウスの要素を取り入れたスタイルで知られ、テクノシーンにおいて重要な存在として位置づけられています。

来歴

グループの中心メンバーであるアレックス・パターソンは、最初に音楽業界に入りました。彼は、著名なバンドであるキリング・ジョークのローディーとして経験を積み、その後、ブライアン・イーノが関与するレコードレーベル「EGレコード」でA&R業務を行いながら、クラブ「Land Of Oz」でDJ活動を展開しました。この時期の彼のプレースタイルは、後に「アンビエント・ハウス」と称されるものとなります。

1991年、ジ・オーブはデビューアルバム『アドヴェンチャーズ・ビヨンド・ジ・ウルトラワールド』を発表し、これによりテクノシーンの第一線に躍り出ました。アルバムはその革新性から高く評価され、今もなお多くの音楽ファンに愛されています。その後も精力的に活動を続け、1991年には東京で開催された「東京ムラムラ」イベントに参加し、度々日本を訪れてDJやライブを行なっています。

エピソード

1993年の6月には東京ドームで行われたYMOの再生ライブの前座を務めました。興味深いことに、前座のステージがアンビエント・ミュージックであったため、観衆の多くは前座が行われていることに気づかなかったというエピソードがあります。また、彼らの楽曲「From a Distance」のPVには、宇川直宏と藤子プロによるコラボレーションがあり、人気キャラクターのドラえもんが登場しています。

ディスコグラフィ

ジ・オーブのスタジオ・アルバムには、以下の作品があります：

• - 『アドヴェンチャーズ・ビヨンド・ジ・ウルトラワールド』 (1991年)
• - 『U.F.ORB』 (1992年) - スティーヴ・ヒレッジが参加
• - 『ポム・フリッズ』 (1994年)
• - 『オルヴス・テラールム』 (1995年)
• - 『オーブリヴィオン』 (1997年)
• - 『サイドニア』 (2001年) - ロバート・フリップが参加
• - 『バイシクル&トライサイクル』 (2004年)
• - 『オーキー・ドーキー・イッツ・ジ・オーブ・オン・コンパクト・ディスコ』 (2005年)
• - 『ザ・ドリーム』 (2007年)
• - 『バグダッド・バッテリーズ』 (2009年)
• - 『メタリック・スフィアーズ』 (2010年) - デヴィッド・ギルモアが参加
• - 『ジ・オーブザーバー・イン・ザ・スターハウス』 (2012年) - ジ・オーブ・フィーチャリング・リー・スクラッチ・ペリー名義
• - 『モア・テイルズ・フロム・ジ・オーブザーバトリー』 (2013年) - 同名義
• - 『ムーンビルディング 2703 AD』 (2015年)
• - 『COW / チル・アウト, ワールド！』 (2016年)
• - 『ノー・サウンズ・アー・アウト・オブ・バウンズ』 (2018年)

また、ライブアルバムやコンピレーションアルバムも数多くリリースされており、彼らの独自のスタイルと音楽的探求を反映した作品が揃っています。

その他

ジ・オーブは、自らのアルバムだけでなく、他のアーティストの作品にも関与しています。プライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』や、システム7のアルバムに参加したり、リミックスを手がけたりしているのもその一例です。彼らはその多様性と創造性において、未だに活躍し続けている重要なアーティストなのです。

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