ジーザス (漫画)

ジーザス（JESUS）

『ジーザス』は、七月鏡一が原作を、藤原芳秀が作画を担当する日本の漫画作品です。この作品は、1992年から1995年まで『週刊少年サンデー』（小学館）に連載され、全13巻の単行本としてまとめられました。特にワイド版と文庫本も、それぞれ全7巻が刊行されています。本作の特異な点は、話の進行が「Lesson.○」というカウント方式で表されていることです。

作品の概要

『ジーザス』は、主人公が闇の世界で生きる超一流の殺し屋として描かれていますが、物語の舞台は一転、高校となります。主人公は、一組の壮絶な事件に巻き込まれる中で、高校教師としての役割を果たすことになります。この高い緊張感の中、襲い来る敵と戦いながら、彼は復讐に身を投じていく姿が描かれています。

登場人物や固有名詞には、クトゥルフ神話からの引用が多くなされており、独特な雰囲気を醸し出しています。また、作品の中では、特別なフレーズの募集キャンペーンが行われ、ジーザスが放つセリフが当時の雑誌で大賞を受賞しました。さらに、単行本の最後に収録されたストーリーには、読者からの応募に基づくキャラクターが登場するなど、読者参加型の要素も取り入れられています。

あらすじ

本作の主人公、ジーザス（本名：藤沢真吾）は、傭兵であり暗殺者として知られる存在です。物語は、彼がある組織から1トンのヘロインを強奪し、その後自身の死を偽装するところから始まります。この際、藤沢真吾と似た外見を持つ死者になりきることで、新星高校の日本史教師としての新たな人生をスタートさせます。

しかし、ジーザスと彼をサポートする橿原十蔵の計画は失敗に終わり、ヘロインが学校に誤って配送されてしまいます。緊急事態に直面し、ジーザスは新任教師として高校に勤務しながら、次々と襲い来る敵と戦うことになります。彼は、殺し屋としてのスキルを駆使し、様々な脅威に立ち向かっていきます。

一方、ジーザスの奪ったヘロインには、秘密結社「24」という新興勢力が関与しており、そのメンバーである三崎かおるは、ジーザスの生存を信じて組織内で力をつけていきます。彼女の忠実な部下、御堂真奈美は新星高校に潜入し、事件を引き起こす要因として暗躍します。

ジーザスは、教え子として不良少年・戸川誠治や、その幼馴染み・野代幸子、同じく新任教師の水谷小百合らを守る過程で、自身の過去と向き合うことになります。彼と御堂との関係も、次第に信頼を築く方向へ進展し、彼女は無二の戦友へと変わっていきます。

物語は、ジーザスが「24」という組織に復讐を遂げようとするクライマックスへ向かい、彼の過去の因縁が明らかになっていく展開を迎えます。

主要な登場人物

• - ジーザス / 藤沢 真吾: 本作の主人公で、冷徹な殺し屋。新星高校の教師として学生達を守る傍ら、復讐を果たそうとする。
• - 橿原 十蔵: ジーザスの情報提供者でありバックアップ役。ジーザスと長い関係を持つ。
• - 水谷 小百合: 新星高校の英語教師で、ジーザスの同僚。彼に想いを寄せる女性。
• - 戸川 誠治: 学校の不良少年で、ジーザスの教え子。彼との関係が物語の鍵となる。
• - 野代 幸子: 戸川の幼馴染みで、ジーザスとも関わる重要なキャラクター。

このように、『ジーザス』は、殺し屋としての生活と高校教師としての葛藤を描いたストーリーであり、激しいアクションとドラマが交錯する魅力的な作品です。

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