ジーノ・スミス

ユージーン・シリル・スミス3世：逆境を乗り越えたクォーターバック

ユージーン・シリル・"ジーノ"・スミス3世（Eugene Cyril "Geno" Smith III、1990年10月10日生まれ）は、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはクォーターバック（QB）で、現在はNFLのラスベガス・レイダースに所属しています。

大学時代：輝かしい実績

ウェストバージニア大学では、スプレッドオフェンスで目覚ましい活躍を見せました。2011年には4,385ヤード、31TD、7INTという素晴らしい成績を記録。オレンジボウルでは、トム・ブレイディの記録を塗り替える401ヤードを獲得しました。2012年のベイラー大学戦では、パス51回中45回成功、656ヤードを獲得し、8TDパスを成功させました。さらに、シーズン最終戦のカンザス大学戦では、パス24回中23回成功、パス成功率95.8%というNCAA新記録を樹立しました。

NFLへの挑戦：苦難の道のり

2013年のNFLドラフトでは、1巡目指名が予想されていましたが、2巡目（全体39番目）でニューヨーク・ジェッツに指名されました。ドラフト直後には代理人を解雇し、ジェイ・Zが所有するスポーツ代理人会社「Roc Nation」を新しい代理人に採用しました。ジェッツでは、プレシーズン中に負傷や不調に見舞われましたが、開幕戦で先発出場を果たしました。しかし、その後は安定した成績を残せず、控えに降格する時期もありました。

2017年にはニューヨーク・ジャイアンツに移籍し、2018年にはロサンゼルス・チャージャーズと契約。主にバックアップとしてプレーしました。

シーホークスでの復活：カムバック賞受賞

2019年、シアトル・シーホークスと契約。当初はラッセル・ウィルソンの控えでしたが、2021年シーズンにウィルソンが負傷したことで、4年ぶりに先発出場を果たしました。

2022年シーズン、ウィルソンがトレードされたことで、先発QBの座を争い、見事に開幕戦の先発QBの座を獲得。開幕戦では、ウィルソンの所属するブロンコスに勝利しました。第4週には週間MVPに選出され、10月には月間MVPにも輝きました。このシーズンは全試合に先発し、シーホークスのフランチャイズ記録となるパス4,282ヤードを記録。パス成功率69.8%はNFLトップの成績であり、チームを9勝8敗の成績でプレーオフに導きました。

ポストシーズンでは、ワイルドカードでサンフランシスコ・フォーティナイナーズと対戦。自身初のプレーオフ先発試合でパス253ヤード、2TDパスを記録しましたが、敗れました。しかし、このシーズンの活躍が認められ、AP通信カムバック賞を受賞しました。オフにはシーホークスと3年1億500万ドルの契約に合意しました。

レイダースへ：新たな挑戦

2023年、2024年シーズンはQB1としてほとんどの試合で先発したがチームはプレーオフ進出を果たせなかった。2025年3月、3巡目のドラフト指名権と交換でラスベガス・レイダースにトレードされ、シアトルで自分を見出したピート・キャロル新HCと再び組むことになった。

ユージーン・シリル・スミス3世は、大学時代の輝かしい実績から一転、プロ入り後は苦難の道を歩みましたが、不屈の精神でそれを乗り越え、カムバック賞を受賞するまでになりました。新たなチーム、ラスベガス・レイダースでの活躍が期待されます。

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