スイート・キャロライン

スイート・キャロライン (Sweet Caroline)

「スイート・キャロライン」は、アメリカのシンガーソングライター、ニール・ダイアモンドにより作曲・演奏された楽曲で、1969年9月16日に「Sweet Caroline (Good Times Never Seemed So Good)」のタイトルでシングルとしてリリースされました。当曲は、チャーリー・カレロが編曲し、テネシー州メンフィスのアメリカン・サウンド・スタジオで録音されました。

オリジナルのシングルはビルボードの全米シングルヒットチャートにおいて最高4位を記録し、最終的には100万枚以上を売り上げてプラチナ認定を受けました。この曲は、リリースされた年の秋に数多くのテレビ番組でも紹介され、1971年にはイギリスで最高8位を獲得しました。

歌の背景とインスピレーション

2007年のインタビューで、ダイアモンドはこの曲がカトリック教徒であるジョン・F・ケネディ元大統領の娘、キャロライン・ケネディに捧げられたものであることを公表しました。その際、当時11歳だったキャロラインの姿を歌ったことを明かし、彼女の誕生日には実際にキャロラインの目の前でこの曲を演奏して祝いました。また、ダイアモンドは、彼がこの楽曲に心惹かれたきっかけとして、ライフ誌の表紙に掲載された彼女の両親と乗馬をしている写真に影響を受けたことを語っています。

一方、その後のインタビューでは、キャロラインについて具体的に歌ったのではなく、ただ「キャロライン」という名前を用いただけだとも述べています。最初は自身の妻の名前を考えていたようですが、３音節にする方がメロディに合ったため、キャロラインの名を選んだとのことです。

バージョンとスタイル

この楽曲には複数のバージョンがあります。最初の45回転版は、大規模なオーケストラとグロッケンシュピールを多く使用していますが、ダイアモンドのLPアルバム『Brother Love's Travelling Salvation Show』に収録されているステレオ版はこれらの要素が控えめです。また、コンピレーション・アルバム『His 12 Greatest Hits』に収録されている版では、バック・ヴォーカルが際立っており、フェードアウトの時間も長くなっています。

スポーツイベントでの人気

「スイート・キャロライン」は、多くのスポーツイベントでも使用されてきました。1997年には、ボストン・レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークでこの曲が流れるようになり、2002年からは毎試合の8回表が終了した後に演奏されています。2010年の開幕戦では、ダイアモンド自身がフェンウェイ・パークでライブパフォーマンスを行いました。

特に、2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件の後、この曲は犠牲者やその関係者への追悼の意を表すために多くの場面で演奏されました。事件の翌日には、ニューヨーク・ヤンキースが自チームのホームゲームでこの曲を流すことを発表し、ボストン・レッドソックスの試合でも流されました。

カバー曲と影響

「スイート・キャロライン」は、ボビー・ウーマック、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、フリオ・イグレシアスなど数多くの著名なアーティストによってカバーされています。特にフランク・シナトラのバージョンは、ダイアモンド自身が最も好きなカバーだと語っています。日本でも南沙織や加山雄三などによるカバーが親しまれています。近年では、2011年にベルギーの歌手クリストフによるカバーがフラマン語週間チャートで1位を獲得しました。

このように、「スイート・キャロライン」はリリースから50年以上経った今でも、さまざまなシーンで愛され続けている名曲です。

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